啼笑姻縁

趙雷、林翠、葛蘭、王引、喬宏 王天林:監督 1964年 DVD


小春の歌の題にも借用されているので(笑)。上下巻で長いです。
杭洲のおぼっちゃま樊大爺(聰雷)が、北京へ勉強に来る。従兄の家に居候している。街へ遊びに出かけ、ひょんなことから、路上でカンフーを披露している大道芸人の親子と知り合う。樊大爺が、大道芸人の娘(林翠)に好意を持ったのを知った従兄は、学業に響くとこの親子を樊大爺から遠ざけようとし、策略をめぐらし、親子を街から追い出した。親子が居なくなったことを知り傷心の樊大爺は、次に街角で唱う娘(葛蘭)に心惹かれる。またも従兄は、これはいかんと、自分の知り合いの娘(葛蘭2役)を紹介するが、樊大爺はこころココにあらず。
この娘は母とともに叔父の世話になっていた。叔父がばくち好きで、娘が稼ぐ金つをかってしまうこまりものだ。樊大爺は娘の境遇に同情し、娘を援助することを誓う。しかし樊大爺は急膀、杭洲に戻らなければならなくなった。必ず戻ると誓って旅立つ樊大爺。ところが娘の一家は家計が苦しくなり、叔父は友人を使って娘を軍人(喬宏)に近づかせよとする。まんまとこの軍人は娘を気に入った。軍人は、いやがる娘を脅しなだめすかし、あの手この手で無理矢理妻に迎えてしまった。叔父は軍人からたっぷり謝礼を貰ってご満悦だ。そんなある日、樊大爺が戻ってきた・・・。


趙雷が、モテモテの役なのですが、どうもね(笑)。バカ殿っぽくて。葛蘭っていうのは、感情の起伏の激しい役が似合う人なので、この映画でもかなり激しく感情が揺れ動く役。方や林翠は、感情を抑え、冷静、沈着という役で、この女性2人は対照的。今見ると、やっぱりテンポといい少しまどろこっしいところもあるとは思うが、基本的にはすごく好くできている。これで面白いのは最後。どうやって物語を収集するんだろと、思っていると、ちゃんと最後はまとめている。


なお小春の《啼笑姻縁》の元歌の方はこの映画には出てこない。タイトルだけの借用。小春の曲の方は1982年(84年かも)に作られ蔡振南という台湾の作曲家による「心事誰人知」という曲からの引用。ネットで調べたところ、原曲は沈文程という人が唱い大ヒットしたそうで、台湾ではとてもポピュラーな曲なのでしょう。元歌は台湾語だと思います。さらにこの作曲家・蔡振南は映画《多桑(とうさん)》では、主役を演じているそうです。


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