長恨歌

《長恨歌》
鄭秀文(サミー・チェン)、梁家輝(レオン・カーファイ)、胡軍(フー・ジュン)、呉彦祖ダニエル・ウー)、鄭希怡(ユミコ・チェン) 關錦鵬(スタンリー・クワン):監督


書くのを忘れて時間が立ってしまったため、記憶が不確か。
カメラマンの程(梁家輝)は、親戚の子の友人である鄭秀文を一目見て気に入り、写真を撮り、上海の美人コンテストに応募したことが、鄭秀文の運命を変えて行く。コンテストで知り合った地位も金もある軍の高官・胡軍は、鄭秀文を愛人にした。華やかな生活にひたる日々。しかし彼との生活に、突然の終わりがやって行くる。それはひとつの時代の終わりでもあった。ひとり取り残された鄭秀文。次に彼女に夢中になったのは、裕福な商人の息子・呉彦祖。しかし呉彦祖の父は、息子と鄭秀文の交際を快く思わず、息子をアメリカへやろうとする。しかし鄭秀文は彼の子を身ごもっていた。またもひとりの残された鄭秀文、病に伏している親戚の男と祝言の写真を撮り、子供を私生児にしないような手立てを取り出産する。娘も大きくなったころ、鄭秀文は娘の友人のひとりの年下の男と情事を重ねる。写真屋の梁家輝は、そんな鄭秀文をいつも案じていたのだが・・。


40年に渡る物語だが、時代の流れは特に際立って強調されることはなく、それとなく、音楽や雰囲気で分かるという程度で、圧倒的にいち女性の恋愛史に重点が置かれており、「鄭秀文女の一生」。
鄭秀文はよく頑張っているのだが、いかんせん彼女の中に「女の情念」のようなものを感じられない。ところがそんな鄭秀文とは対照的に「男のおき火のような情」を感じさせる梁家輝は、とても引き立ってしまっている。梁家輝の映画といってもいいくらいだ。プレミアで見たのだが、出てきたところを、どっかの新聞にインタビューされた。感想を聞かれて、つい「梁家輝がよかった」と言ってしまったため、相手はきょとんとしていた。
そしていったいこの女性の役は誰なら相応しいのかと考えてみた。すぐに誰もが思い浮かぶのは、香港人なら張曼玉マギー・チャン)なのだろう。しかしそれは面白みがない。実は最も相応しいのは梅艶芳(アニタ・ムイ)ではなかったのかと思い至った。by 2005.9.20@海運戲院


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