猛龍(ドラゴン・スクワッド)

《猛龍》
呉建豪(ヴァネス・ウー)、余文樂ショーン・ユー)、周俊偉(ローレンス・チョウ)、黄聖依(イヴァ・ホワン)、夏雨(シャ・ユイ)、洪金寶(サモ・ハン)、李冰冰(リー・ピンピン)、MaggieQ、ホ・ジュノ、安志杰(アンディ・オン)、マイケル・ビーン、任達華(サイモン・ヤム)、梁洛施(イザベラ・リョン)、廖啓智(リュウ・カイチー)、劉家輝(ラウ・ガーファイ) 李仁港(ダニエル・リー):監督


国際犯罪集団と香港、台湾、中国大陸から集められた警察の精鋭たちの死闘。
私は李仁港を信用してない(笑)。李仁港の映画は格好はいいし、雰囲気(それも前世紀末には世紀末っぽい雰囲気を出そうとしていた)があるのは分かる。だが、どうも好かん。《黒侠(ブラック・マスク)》も《星月童話(もういちど逢いたくて)》も《少年阿虎》も、アクション部分はいいのだけど、一生懸命主人公たちの背景を描こうとしても、とってつけたようで、薄くペラペラ、深みがなく、いつも安っぽ〜くなっているから。
今回もいたく心配していた。風にぺらぺらかと。見る前にネガティブコメントを聞いていたのが幸いしたのか、思った程ぺらぺらではなかった。しかしとってつけたような登場人物の背景説明は、なんとかならんのかとは思うのだが。さらに今回は最初に御丁寧なキャラ解説もついている(笑)。
しかし映画のすべてを被い尽くすかのような銃撃で、あらも覆い隠されてしまっているかも。いやごまかされているのかもしれないが。もう弾の数が多すぎて(苦笑)。
呉建豪のナレーションで話は進む。呉建豪は主役たち(呉建豪、余文樂、周俊偉、黄聖依、夏雨)の中では最も中心になる人物として描かれる。余文樂はしっかり《頭文字D》を引きずり(笑)ドライビングの名手となり、その他はみな射撃の名手。退職が近い警官(洪金寶)とその上司(任達華)の関係、犯人と洪金寶らの因縁なども一生懸命描く。洪金寶にいたっては家族関係まで引っ張り出して描くのだが、何故か深みが感じられない。ん〜こまったものだ。
敵役の方は、MaggieQ、ホ・ジュノ、安志杰、マイケル・ビーンら、国籍も含めバラエティあり。MaggieQは、すっかりアクション女優なのかしらん。クライマックスの死闘では、やっぱり美味しいところかなりを洪金寶が持って行く。ステキ。
今回、アメリカにも持って行く(行きたい)らしく、随所にアジア(香港)のイコンをちりばめる。渦巻き線香が下がる赤と金の廟の内部が出てくると、とたんに《リプレンスメント・キラー》(だっけ)を思い出すし、音楽もそれとなくアジアン。
言語については、英語あり、北京語あり、広東語ありで激しくめちゃくちゃ。呉建豪は北京語と英語で自分の声、黄聖依の台詞は全編広東語に吹き替えられている。李冰冰は英語と広東語で、どちらもたぶん吹き替え。ホ・ジュノは北京語は吹き替え、英語もあるが、これはどうだろうか? 1か所だけ、歌をうたう場面があり、この時のみハングルなのでこれは地声でしょう。その他の人々は自分の声。各地の公開時はどうするのだろうかと、心配してみたりして。
それはともかく、とにかく銃弾の数が多くて、いっぱい人に当たっている。少しグロいところもあり、苦手はな人もいるかもしれない。2005.11.10@新寶戲院


■□05年に見た映画の一覧□■