周潤發《赤壁》降板劇

赤壁》の製作者でもある張家振(テレンス・チャン)へのインタビュー

・周潤發(チョウ・ユンファ)の為に
問:今回、《赤壁》で周潤發を降板させるという決定について、あなた自身は、どう考えていますか?
張:僕も呉宇森ジョン・ウー)も望んでいないことです。なぜなら、呉監督は長いあいだずうっと周潤發と仕事をしたいと願っていましたから。アメリカではインタビューを受けるたびにこの思いを話していました。今回の《赤壁》も、彼の為に特別に周瑜という役を作り上げていました。2年以上前、よやく準備を始めた段階から公にしていましたから、特に失望は大きいです。


・本当の理由:保険会社が提出した73項目の反対意見
問:潤發を降板させた本当の理由は? 潤發が歳をとりすぎているということですか?
張:そういうことではありません。もしそうなら、最初から彼にオファーはしません。確かに潤發の年齢は、周瑜より20歳以上うえですし、ネットでは多くの人が反対を唱えていました。後に金城武が決まった時に、その問題はよりはっきりとしました。投資者や配給会社さえも反対意見を言っていましたが、私たち2人は一環して潤發にこだわっていました。
本当の理由は、アメリカの保険会社が潤發の弁護士が作った合意書に同意せず、73項目の反対意見を提出してきたことによります。僕は出来るかぎり歩みよろうとしましたが、残念なことにうまくいきませんでした。
問:きくところによると、《黄金甲》も《黄石的孩子》も同じ保険会社だということですが。
張:そうです。彼らはその時も合意に反対していました。しかし江志強(ビル・コン)は、潤發が《黄金甲》の彼のパートを撮り終わってから保険会社と契約したのです。《黄石的孩子》については、潤發はわずか20日間の撮影で、ギャラも数十万だったため、保険会社はすべての製作人のギャラを担保にすることを要求し、それで初めて保険をかけるこがとできました。
問:合意書にあるどんな項目が彼らが受付られないと言っているのですか?
張:実に多くのことです。さらに、(中国やハリウッドを含めても)常識を越えたことも多々あります。一つ一つあげる気はありません。


・脚本は昨年すでに渡している。
問:一週間前に初めて脚本が渡されたと言われていますが?
張:それはでたらめです。昨年すでに僕は、こっそりと彼に見せています。潤發がアメリカで撮影している時で、さらに僕たちに周瑜小喬のドラマに関して意見をいい、私たちもそれは悪くないと思っていました。昨年初めには第1稿が出来、同時に潤發と粱朝偉に送っています。潤發は呉監督と脚本家に会い、いくつか意見を言いました。脚本家は周潤發の言い方で脚本を直し、この稿は、たしかに1週間前に彼に渡しました。


・最近撮影した4本の西洋映画よりも赤壁の方がギャラが多い。
問:彼らはギャラを一括で払うように要求したと言われていますが?
張:そうです。彼らはそのように要求し、毎回そのようにしているといいました。それで僕はしかたなくまず半分を先に支払うと答え、お金を受け取ってから3日後に製作側に報告しました。のこりの50%については銀行に口座を開いて、撮影が半分終わったら支払うことにしました。一括ではありませんが、僕は一度に金を引き出す必要がありました。
問:彼のギャラはいくらですか?
張:500万米ドルです。さらに全世界での利益配当が加わります。けして彼をおろそかにしてません。彼が最近撮った4本の映画を加えても、この数字には及びません。


・潤發がハリウッドへ行って15年
問:あなたと潤發はいつから仕事を一緒にするようになったのですか?
張:僕と呉宇森は以前、香港で「新里程」という会社を持っており、そこで3本映画を撮りました。《縦横四海》《辣手神探》《我愛[才丑]紋柴》で、周潤發主演です。当時の関係は非常によいものでした。
問:あなたが潤發をハリウッドへ連れていったわけですね。さらに15年分のかりがありますね。
張:どういばいいのでしょうか。呉宇森の《英雄本色》が彼を天皇巨星にしたのです。彼は、呉宇森の《喋血雙雄》と《辣手神探》で外国人が彼に興味を持ったのです。僕はただ、人を紹介しただけです。
問:どのように「紹介」したのですか?
張:1991年から1992年のあいだに彼のためにシカゴ、ニューヨーク、ボストン、イギリスのロンドンで「周潤發回顧展」を開き6、7本の彼主演の映画を上映し、外国の観客や評論家に彼を知ってもらおうとしました。後に彼をハリウッドで最も大きなマネージメント会社のひとつウィリアム・モリス・エージェンシーに紹介し契約しました。またビバリーヒルズでパーティーを開き、多くの製作人や脚本家、監督やエージェントを彼に紹介しました。
問:あなたはハリウッドで潤發が活躍するためにサポートをしましたか?
張:しました。僕は《リプレイスメント・キラー》や《アンナと王様》などの映画のオファーを受けしました。さらに自腹をきって、彼のために3本の脚本を作りました。《X-LA》《Charlie Apana》《Lost In Translation》(ソフィア・コッポラのとは別のもの)。これらについては彼は忘れてしまったのでしょう。


・潤發には何も要求せず
問:あなたはこの件があなたたちの友情を壊してしまうと思いますか?
張:私は友情は2つの面があると思います。これは純粋なもので、何の利害関係もありません。私は彼に何も要求していません。最初は喜んで彼をサポートしました。なぜなら彼は素晴らしい俳優だから、彼の演技を世界の観客に見てもらいと思ったからです。by 2007.4.17「ent.sina.com」

昨日の潤發のインタビュー(id:hkcl:20070416)と今日の張家振のインタビューを会わせて読むと、お互いの認識の違いがよくわかる。ハリウッドに行って、すっかりハリウッドスタイルで押し通す潤發と製作側の齟齬。
どんな内容の合意書(契約書)なのか知らないが、違反したら、とんでもない金額でも支払うことにでもなっているのだろうか。中国映画では(香港映画でも)、契約書どおりに撮影が進む訳ないのだろう。そんなことで違約金でも要求されたらとんでもない。そんなリスクを背負うより、降板させた方がいいという判断なのかもしれない。


大作映画は好みではないが、呉宇森&周潤發で期待していただけに、一気にこの映画への興味が失せた。(ハリウッドへ行ってからの潤發に、いまいち興味が湧かないのもたしか。この前の許鞍華の映画は良かったのだが。)