十年 物失重認 嘜相害 千代のお迎え 


《十年》

舒琪(シュウ・ケイ)ほか:監督舒[王其](左)。
1人の少女の10年間を描く。サイレント。
現在は教鞭をとる舒琪が学生たちとの共同作業で撮った作品。賈樟柯ジャ・ジャンクー)の《我們的十年(私たちの十年)》と同じ、「南方都市報」からの依頼で創刊10周年記念としてつくられた。
以下、ティーチインで舒琪が語ったこと。(覚えている範囲で)

  • 学生との共同作業で脚本を作り、シーンを割り、おのおの好きな部分を撮り、のちに編集した。
  • 最初からサイレントで撮ることにしていたが、音を入れたバージョンもあるが、映画を上映しながら、即興で音楽を演奏してもらうのもいいと考え、大友良英(《虎度門》の音楽)にセミナーを頼んだときに、映画を流して即興演奏をしてもらった。実際は本当の即興ではなく事前に1度見てもらってからだが、この試みは録音して保存している。
  • 自らの構想の中にある話しがあって、主人公の男の子は中国語が流暢な日本人という設定だった、その為には主役に1年前から中国語を学ばせなくてはとか、日本で撮るなら台詞は日本語だとか、そいうことを考えていたことがあり、ある時サイレント映画を見て、これならすべて解決できると思った。それで今回、ちょっと試してみようと思ったのだ。
  • ここ7年ほど学校で教えていて、とてもプラスになっている。学生に話すには適当ではだめで、よく知らなくてはならない。映画に対する理解は以前より深まったと思う。いま撮れば以前よりかならずいいものが撮れると思う。
  • この作品を作って、自分の中の創作意欲が刺激された。自分の作品を撮りたいと思っている。

《物失重認》

Choi Bin-Chuen:監督
ドイツで勉強し香港に戻って来た監督。子供の時に見た「盲魚」という魚を探して香港のあちちを回る話し。中でおおいにウケたのは、主人公の継母は張學友が好きと画面に文章が出ると、學友と継母が2ショを撮るシーンが登場する。継母、だたのファンだ(笑)。さらに継母はダンスが趣味というくだりでは、なんと小春の「黄豆」に合わせて踊る(かなり練習しているとみた)姿が映しだされた(爆)。ナレーションはドイツ語。

《嘜相害》

林靖傑(リン・ジンジエ):監督
台湾の街で客を引く女性をドキュドラマ方式で描く。同じ監督の《最遙遠的距離》(id:hkcl:20070924)とは違う面が見られる。

《千代奇縁(千代のお迎え)》

馬場政宣:監督
戦死した父がお盆に帰って来ると待ちわびる娘の話し。


最初のサイレントでも途中のドイツ語のナレーション(英語字幕あり)でも席を立つ人がいた。観客は分かって来ているのかと思っていたが(短編だし、それなりの覚悟で来ていると思っていたが)、そうでもないらしい。
2007.10.8@@百老匯電影中心「香港亞洲電影節2007」


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