戦・鼓(ドラマー)

左から監督の畢國智、房祖名、李心潔。房祖名(ジェイシー・チェン)、李心潔(アンジェリカ・リー)、梁家輝(レオン・カーファイ)、張耀楊(ロイ・チョン)、何超儀(ジョシー・ホー)、曾江(ケネス・ツァン)、鄭希怡(ユミコ・チェン)、優人神鼓 
畢國智(ケネス・ビー):監督


Sid(房祖名)はドラマー、あるライブ会場で目をつけたのはStephan Ma(曾江)の女・Carman(鄭希怡)。情事の最中にStephanに踏み込まれたが、強気のSidは、Stephan Maに悪態をついた。香港中がSidを探し出した。Sidの父・關哥(梁家輝)がからくもSidを見つけ、照哥(張耀楊)とともに台湾に逃がした。台湾の山中に身を隠したSidは、くさくさした日々を送っていた。ある日、かすかに聞こえる太鼓の音をたぐっていくと、山の上では数人の男女が一心に太鼓を叩いているのを見つけた。Sidは自分にも太鼓を叩かせてくれと強引に仲間に加わろうとする・・・。


予備知識無しに見たため、ちょっと面食らった。ポスターなどから房祖名が台湾の山奥で太鼓を叩く話しだとは知っていたが、まさか香港部分があって、その部分がお見事な黒社会映画だったとは知らなんだ(笑)。ストーリーはおおまかに言えば、「無軌道な若者が香港で過ちを犯し、台湾に逃げ、そこで人生を考え直し人間として成長する話し」なのだが、香港部分のいかにもな黒社会映画然としたフィクションな大娯楽映画の風貌(俗)と、台湾の山中で繰り広げられる優人神鼓とのノンフィクション風でいささか禅問答くさい話し(ストイック)との間にギャップがありすぎて、なんだか落ち着かない。もちろん話しは繋がっているのだが、2つの違う映画をくっつけてしまったような奇妙な感覚が、最後まで付きまとう。
監督は「優人神鼓」を撮りたくて、このストーリーを考えたのだろうか? それとも香港部分の話しが先にあり、あとで優人神鼓をくっつけたのだろうか?
2007.10.9@GH旺角(優先場+座談会)


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