遊戯人間

《遊戯人間》丁皓、白露明、雷震、喬宏、林靜 
王天林:監督 電懋 1961年 國語 無字幕 モノクロ 


丁皓は、おてんば娘でスポーツが大好き。幼なじみの医者の雷震は、彼女とは正反対で勉強ばかりしている。それにどうやら看護婦の白露明が好きらしいが、これがちょっとしゃくにさわる丁皓は、男装をして病院へ行き、白露明と知り合う。そこで丁皓は、いたずら心を起こして、雷震に自分と雷震のどっちが白露明の心を射止められるか競争しようと言い出す。丁皓の積極的なアタックに白露明は丁皓とのデートを重ねていく。ある日、白露明は兄(喬宏)を丁皓に紹介した。喬宏が大のスポーツ好きだと知って、いっぺんで彼を気に入った丁皓は知恵を絞った。喬宏を家に呼んで、自分は(男装の)丁皓のそっくりの妹だと言って、喬宏と顔みしりになった。そして、昼は本当の丁皓が喬宏とデート、夜になれば男装の丁皓が白露明とデートを重ねた。白露明と喬宏の兄妹は、丁皓を好きになってしまうのだが・・・。


脚本は張徹。2歳児以下の國語能力の私にも分かりやすいストーリーだった(一安心)。男装の丁皓がある日、仮装パーティで女装する(本来の自分を演じるのだが、短髪の丁皓はロングの鬘をつけている)と、海賊に扮した喬宏が、女性だと思ってダンスに誘う。すると男装した白露明が現れて、(白露明が男性だと思っている)丁皓だと言う場面がある。男性が男装した女性を好きになって、自らのジェンダーに悩むには、まだ30年ほど待たなければならない。それでも劇中、頻繁に(見かけ上の)ジェンダーの入れ替えが行われて面白い。さすが張徹というべきか?


喬宏はかなり大柄な人だが、この映画では重量上げをしていることになっている。かっこいい。若い喬宏は、少し胡軍(フー・ジュン)に似ている。
2007.11.11@香港電影資料館「大娯楽家・王天林」


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