神槍手與智多星

《神槍手與智多星》呉鎮宇(ン・ジャンユー)、黄秋生(アンソニー・ウォン)、曾志偉(エリック・ツァン)、方力申(アレックス・フォン)、唐嫣、劉洋、劉圓圓、趙彤 
姜國民:監督


悪がのさばっていた街は「校長」と呼ばれる男が治めて以来平和になっていた。しかし校長の手下の阿一が造反。校長から金を引き出し、鍾勝一と組んで賭場を開こうを考えた。校長は身を隠した。校長の唯一の身内は孫の小雨(唐嫣)、警察は彼女の護衛に新人の小飛(方力申)を付けた。命をねらわれていると知った校長は貸金庫の暗証番号を小雨に覚えさせ、さらに言った。いざという時には、封筒にこの半分にした札を入れて送ると、どこにいても神槍手と智多星が助けに来ると・・・。


脚本は王晶で、いかにもな「香港映画」だが、狙いは大陸なのかも。爆破やアクションも少し入れ、かわいい担当、お色気担当、はすっぱ担当などの女子を取り揃えているが、きわどいことはなし。呉鎮宇、黄秋生、曾志偉と手堅い出演者で固めている。唯一異質なのは方力申。手を抜いているとは思わないし、話しにはちゃんとオチもあって一応話しは通っているが、いまひとつ面白いと感じられないのは何故だろう。いかにもな「香港映画」だからかもしれない。
アクションも、ラブも、お色気も、ちょっとした笑いも、意外な最後も、みんな全部少しずつ入れて、これが「香港映画だ」と大陸の人に向かって言っているような気がしてならない。そんな整い具合が面白みに欠ける所以かもしれない。これはとても矛盾しているような気もする。しかし私はもう、なんでも入れてそれなりに整っている香港映画には面白みを感じなくなっているんだろうと思う。作家性というか、個性というか、いびつというか、何かが突出しているものの方が面白いと感じるようになっているのだろうと思う。
この映画で唯一異質な方力申の役を他の人がやっていたら、ずいぶん映画のイメージが違っていたかもしれない。なんせ呉鎮宇、黄秋生、曾志偉と暗闇っぽい俳優たちの中に、1人だけ明るい太陽が紛れ込んでしまっているのだから・・・。
なお自分の声なのは方力申、呉鎮宇、曾志偉。女性陣はたぶん全員吹き替えで、黄秋生も別の人が広東語を吹き替えていた。そうそう、この映画の舞台は、「某都市」で具体的な地名は出てこないのだが、ある場面で、日本の繁華街にありそうな、「てれくら」「さらきん」「からおけ」のような看板が登場する。それも「ソ」と「ン」が間違っているような代物だったのは、ご愛嬌か。
2007.11.18@新寶戲院 


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