七條

七條彭順(オキサイド・パン)監督は最近作風を変えた。お得意のホラーはもう撮らず、新作《愛鬥大》では新人俳優を起用し、監督も新しさを求めて学校を卒業したばかりの新人を起用、全編ハイビジョンで撮影して、新しい感覚を観客に与えた。
《愛鬥大》のポスターに気を留めた人は、新作の監督が「七條」となっているのに気づいただろう。これは彭順と新人監督と学生の7人が監督したということだ。「青春映画を撮ろうと考え、知り合いの脚本家と話をした。お互いに若者のことを理解しなくてはと感じた。それで新人を募集することにした」。話し合いの後、映画会社は専門学校で脚本を書ける学生を募集した。最後に4人の学生監督が選ばれ、さらに助監督が加わり、彼らが新しい映画の監督になった。
4人の中で唯一の女性監督は、香港藝術学院を卒業している。監督をしてみて、学校の課題とはまったく違うと感じた。「すべての人が私の指示を聞く、時間をしっかり把握していなければならない。自分を待ってすべてが停止してしまうからだ。最初のシーンからすでに混乱してしまって、多くの時間を浪費した」。また浸大の同級生2人は、親しくない人に対しては、指示ははっきりとしなくてはならないと話す。「監督は僕らに対して『とくかく出来上がったものがよければそれでいい』と言った。さらに撮影前に僕らに撮影の基本を守るように話した」。また芸能人出身の1人は時間を把握することが大切だと言う。「今回は7人で撮影したが、時間を把握することが重要だった。なぜなら1人の撮影時間が長くなると、必然ともう1人の監督の撮影時間が短くなる。それは不公平だからだ。」


助監督から監督になった1人は、4人の学生にかつての自分を見るようだったという。「彼ら4人は僕がこの業界に入った時のようだった。映画に対して熱意がいっぱいで、パワーがあった。彼らはのみこみが早く、初日の間違いは、3日目には2度と間違えることはなかった。」また新人たちの心の中には同じ思いがやどって、クリエイティブから始まってはいたが、撮影には心がこもっていた。彭順は新人たちとの仕事で多くの新しいインスパイアを受けたという。
また彭順は近年、映画界で欠けているのは、新しさだが、新人に機会を与える監督や社長は多くはないと話す。「中では曾志偉が心を砕いて新人に機会を与えている。俳優であっても監督であっても、ポテンシャルがあれば、彼は機会を与えてくれるのだ。」by 2008.1.12「文匯報」

1月23日までの上映7日間で294万を稼いでいる《愛鬥大》は、俳優も監督も新人を用い、若い観客を引き付け、興行成績的には成功している。