第一誡

《第一誡》鄭伊健(イーキン・チェン)、余文樂ショーン・ユー)、車婉婉(ステファニー・チェ)、謝宛諭(フィオナ・シエ)、李蘊 
唐永健(ケルヴィン・トン):監督


警官の李國強(余文樂)はある日の警邏中、駐車場である車を制止し、安全ベルトをしめるように運転手を諭した。車のテールランプが壊れていたので、再び車を呼び止めたが、テールランプに血がついているのを発見、さらにトランクから血が流れ出ているのを見てトランクを開けた・・・。転手は先ほどの弱気とは打って変わって、李國強に向かって拳銃を発砲した。男が李國強を撃ち殺そうとした刹那、信じられない光景が、さらに李國強は拳銃を取り返し男を射殺した。それから数十日、目覚めた李國強は、ある部署に配属された。
雑物科、李國強が配属されたのは、警察にかかって来る怪奇現象の訴えを一手に引き受ける部署だった。ボスの黄(鄭伊健)は昼間から飲んだくれ、助手は不可思議な雰囲気をたたえている。黄は言う「第一誡(最初のルール)は、幽霊などこの世にいない」・・・。しかし李國強は黄の言葉がすべて気休めでしかないことを知った・・・・。


公開館が少ないのだが、けして出来がとてつもなく悪いわけではい。鄭伊健のやさぐれ具合が思いのほか良い出来で、鄭伊健もこんな役が出来るようになったのかと少々感心。飲んだくれの刑事(鄭伊健)とバーの女で元妻(車婉婉)との、大人の恋愛や2人がダンスを踊るシーンなど、香港映画っぽくない設定(アメリカのどこかの裏ぶれた街のバーといった感じか)が面白いし、雰囲気も悪くない。しかしそんな鄭伊健が核の西洋映画風を、余文樂が核のアジア的ホラー映画に差し込んでいるため、異なる2つの映画が同居を余儀なくされているような感じを受ける。また豊富な題材を投入しすぎたのか、途中で物語が段取りのためかと思えるような進行になってしまうのが惜しい。
この映画、中文と英文字幕以外に、なぜかマレー語(だと思うのだが)の字幕が付けられていたため、画面が字幕でいっぱいだった。
2009.9.8@The Grand Cinema


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