夜。上海(夜の上海)

《夜。上海》本木雅弘、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、西田尚美塚本高史、郭品超(ディラン・クオ)、和田聰宏李燦森サム・リー)、竹中直人、大塚シノブ 
張一白(チャン・イーバイ):監督


日本で人気のヘアメークアーティスト直樹(本木雅弘)は、パートナーの美帆(西田尚美)と上海にやってきた。上海で開かれる大規模な音楽祭でヘアとメークを担当するため。しかし一方で仕事でも私生活でも長年のパートナーである美帆との関係が最初のころと変わってしまったことに気がつき、上海という場所でこの関係をなんとかしたいと思っていた。音楽祭が終わり、携帯も財布も持たずふらっと街に出てしまった直樹は、タクシーに追突される。タクシー運転手の林夕(趙薇)は、直樹を乗せて走り出した。言葉の通じない2人の奇妙な1夜が始まった。


日本でなんとか出来ない関係を海外でなんとかしよう、海外で出会った異国の女性に惹かれる、彼女によって自らを取り戻す、という展開は、渡部篤郎と徐静蕾(シュウ・ジンレイ)《最後の恋、初めての恋》を連想させる。金もなく、言葉も通じない、どこに泊っているのか分からないような日本人を載せてしまったら、とりあえず日本人が泊りそうなホテルへいって、日本語でも英語でも分かる人に通訳してもらえばいい、と考えてしまったことろで、話しが終わった(笑)。別に本木雅弘も趙薇も李燦森も悪いわけではないし、李燦森に怪しげな日本語をしゃべらせたのは正解だったかもしれないのだが(ただ西田尚美の台詞はいただけなかったが)。


張一白の映画はこれまで、《恋愛地図(アバウト・ラブ関於愛)》の北京編(ここでも塚本高史を使っている)(id:hkcl:20050419)、《好奇害死猫》(id:hkcl:20080116)、《秘岸》(id:hkcl:20080828)を見ている。結構なんでも器用にそこそこに撮ってしまう人なのかもしれないが、驚きを与えてくれることもない。
満席だったのだが、香港人観客(老若男女あり)は何を期待して見に来たのだろうか。
2008.11.8@香港電影資料館「中国電影展2008」


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