于冬

昨日、保利博納と黄建新(ホアン・チエンシン)、陳可辛(ピーター・チャン)は共同で映画製作会社「人人電影公司」を設立した。

10年前、保利博納は成立した。当時、このいち民間企業は一部の映画人には注目されたが、それ以外には何もなかった。10年後、保利博納はすでに最も傑出した映画配給会社になっている。企業として完成しているだけでなく、さらにいち配給会社としての限界を超えている。この保利博納を1人で作り上げた于冬は、陳可辛、黄建華と新しく人人電影公司を作った。それは自身の制作についての力量をさらに強化するものだ。中国映画はますます進んでゆく。保利博納もまたこのような時代に、新たに始めるのことになった。


◎陳可辛、黄建新と中国の夢工場を作る


捜狐:新しく出来た「人人電影」と保利博納はどういう関係になりますか。
于冬:保利博納は一環して配給会社だと思ってください。配給は私たちの主なる業務です。ここ数年、配給と映画撮影をし、さらに多くの香港映画を配給してきました。多くの香港の会社との間で確かな基礎を作ってきました。陳可辛との仕事は、実は《投名状》から始まっていました。陳可辛は、彼自身が武芸に優れているだけでなく、大変によい監督でもあります。さらに彼はよいプロデューサーで、プロデュ―スと今後の発展についても考えることが可能です。また非常に新しい理念で映画の発展を押し進めることもできるでしょう。従って彼との合作を通して、私たちの願い、つまり一緒に会社を作ることにしたのです。


捜狐:保利博納はこの会社に直接投資するのでしょうか。
于冬:はい。保利博納は、陳可辛と親しい関係にある黄建新監督を私たちの会社に招きました。それは黄監督がよい監督であるだけでなく、保利博納の成長を見てきたからです。また彼は陳可辛の長年の友人でもあります。さらに彼は《墨攻》や《殺死比尓》《投名状》《ハムナプトラ3》など多くの映画をプロデュースし、非常に経験豊富な監督です。私の願いは私たち3人が手を取り合い、夢の工場を作り上げることです。


捜狐:このような3人が手を組んだ後、新たなメンバーを加えることはあるのでしょうか。
于冬:はい。私たちはこのような会社ですから、将来はさまざまな監督とコラボしていきます。例えば、私たちが投資して撮る最初の映画は陳徳森(テディ・チャン)監督、陳可辛、黄建新プロデュースの《十月圍城》です。


捜狐:保利博納は、以前に范冰冰(ファン・ピンピン)の会社と一緒に仕事をしていますが、以前と今回の陳可辛との仕事では似通ったところがありますか。
于冬:范冰冰との仕事は、主に芸能人のマネージメントについてでした。


◎香港の監督は大陸の観客をおろそかにはできない。


捜狐:今回「人人電影」を作ったことは、保利博納にとっての最大の意義はどこにあるのでしょうか。
于冬:意義はあります。香港映画は次第に大陸に向かっていっています。これはひとつの曲がり角です。大陸の映画マーケットは、つまり香港から出て行くことによって初めてその巨大な空間があるわけです。もし香港の監督が、いまだに香港映画のスタイルにこだわり、日増しに大きくなっている中国大陸マーケットの重要性を考えないのなら、香港映画はますます周縁化していくことになるでしょう。合作映画こそが、今後大中華地区の映画産業を支える需要なパワーとなり得るのです。《英雄》を初めとする大作から《投名状》《赤壁》などは、どれも優れたそして最先端の中国語映画のクリエイターたちが集まっているではないですか。


捜狐:今年の最も重要な作品は《十月圍城》以外に何があるのでしょうか。
于冬:保利博納の最も重要な変化は配給だけでなく、自らが投資して撮影することです。私たちの映画販売額はすでに投資額の半分を超えています。私たちはそれでも、まだ映画会配給会社でしょうか。すでに映画制作会社になっています。中国のマーケットは大きく、保利博納は香港合作映画の配給会社という本来の性格から投資会社に変わっていったのです。それは必然で、大陸のマーケットは大きく、必然的に保利博納が版権を持つ側になったからです。何平の《麥田》、霍建起(フォ・ジェンチィ)の《台北飄雪》、羅卓瑤(クララ・ロー)の《如夢》、さらに爾冬陞(イー・トンシン)プロデュースの《竊聴風雲》は旧正月前にクランクアップしています。旧正月後には成龍ジャッキー・チェン)と王力宏ワン・リーホン)主演の《大兵少将》、さらに爾冬陞プロデュース、古天樂(ルイス・クー)主演が1本あります。(略)by 2009.2.16「捜狐娯楽」

于冬の言っていることは正しいと思う。たしかに大陸の観客を考慮しない香港映画はどんどん周縁化していくだろう。しかし大陸の観客を考慮した香港映画は、もう「香港映画」ではあり得ないと思う。そして大陸の監督は娯楽映画を撮れない。だから香港映画の監督たちの力が必要なのだ。合作映画は大陸にとっても有効な手段だということだ。そしてそこには幸せな結婚がまっているかもしれない。だたしその確率はかなり低いのかもしれないのだが。そして周縁化した「香港映画」にも生き残れる道があるに違ないと思いたい。
香港の俳優たちにも同じような事が言える。大陸の俳優たちはみな上手いし、女優はたしかに綺麗かもしれないが、オーラに欠ける人も多い。そこを香港の俳優たち(時に台湾の俳優も)が埋めているのだろう。