「《1969太空漫遊》優先放映及分享會」

張婉[女亭]&羅啓鋭。出席:羅啓鋭(アレックス・ロー)、張婉婷(メイベル・チャン) 
於:香港藝術中心Agnes b.電影院(夏日國際電影節)


撮影中は《歳月神偸》と呼ばれていた、任達華(サイモン・ヤム)、呉君如(サンドラ・ン)主演の1960年代香港が舞台の映画のトレイラーと15分ほどのラッシュを見たあと、映画について座談会。覚えていることを大まかにいくつか。

  • 撮影中は《歳月神偸》と呼ばれていた。別に泥棒(神偸)についての話ではなかったが、大陸の審査で「神偸」がまずいということで変えることに。年号は最初1967だったが、67は駄目だということで(当然、「六七暴動」を連想するから)68に、68も駄目だというので、69になった。この年代のことが表せればいいのであって年号そのものは特に重要ではなかったので、変更はかまわなかった。
  • 60年代の風景をいまの香港で探すのは大変に困難。香港は昔のものを大切にせず壊してしまっている。幸いなことに政府が永利街での撮影を許可してくれた。ここは本当に60年代の香港だ。靴屋だけを作ってあとは通りのそのままを使っている。
  • 政府の保存計画は、永利街の一部を残すというもので、その他はなんだか分からない施設になってしまう。通り全体を保存しなければ意味がない。
  • 古い時代の映画を撮るのは大変だ。小道具のひとつひとつも作らなくてはならない。しかし羅啓鋭はいろいろなものの収集家で、古い新聞やら切符やらとにかく取ってあるので、今回の映画ではそれが役立った。
  • 60年代を題材にした香港映画はとても少ない。60年代は幸せな時代だった。街も綺麗だったのを知ってもらいたい。
  • 劇中の子供(弟)の方が、羅啓鋭の投影。
  • 大陸と香港の関係について:大陸と合作した最初のころはやはり失敗。香港らしさはどこへ行ったのかと言われていた。しかし昨年あたりから、香港映画の監督が撮った、香港スタイルの映画(合作も含め)が大陸で受けるようになった。昨年の大陸の興行成績を見ても、ヒットした映画の7割りは香港の監督の作品だ。今年など、《大内密探靈靈狗》《竊聽風雲》《麥兜响噹噹》の3本がヒットしている。大切なのは、ある国や地域の特色を持った映画が他の国や地域の人にも理解してもらえる内容であること。
  • 《玻璃之城(ガラスの城)》は、大陸では正式にソフト化されていないが、みな海賊版で見ていて、当時の香港の大学生をうらやましく思っている。従ってこの映画も大陸で評判になるかもしれないが、それは今は分からない。
  • 大陸の意向でタイトルを変更したことについて:今回はタイトルを変更しても、ストーリーには影響がなかった。また最初は2人の子供が歩いていくと遠くで暴動が起こっているという場面があったが、それも削除しているが、この物語りは暴動を語っているわけではないので、大きな問題はないと考えた。もし物語りの根源に関わる問題なら絶対に妥協はしない。

15分のラッシュを見るかぎりかなり期待したい。
以前に紀陶さんに羅啓鋭さんを紹介してもらったことがあるのだが、顔を覚えていてくれたかどうかは不明だが、座談会のあとにひとことふたことお話せさていただいた。映画の一般上映は11月の予定だが、10月の映画祭(香港亞洲電影節のことだと思う)で上映する可能性もあるらしい。


ぐぐってたら上海電影節での発表会のようすがあった→ココ