機器侠(カンフー・サイボーグ)

《機器侠》方力申(アレックス・フォン)、胡軍(フー・ジュン)、孫儷(スン・リー)、呉京ウー・ジン)、鄭中基(ロナルド・チェン)、曾志偉(エリック・ツァン) 
劉鎮偉(ジェフ・ラウ):監督


ある犯人護送車の中、手錠をかけられた犯人は警官たちに向かって言う「1億だすから逃がしてくれ」。すべての警官が犯人を逃してやろうとするなか、たった1人だけは、不正を許さず犯人を追いつづけた。警官に取り押さえられた犯人は言う「所長の言うことは正しかった」。
田舎の警官・大春(胡軍)の元に、部下がやってくる。その部下は名前を徳明(方力申)というが、本当は天安科局が作り上げた人間に似せたK-1という器械だった。徳明が器械であることは、大春と徳明の秘密。壊れたコンピュータを一瞬で直してしまったり、これまでお蔵入りになっていた事件を一瞬で解決してしまう徳明に署内の紅一点・素梅(孫儷)は密かに憧れる。大春は亡くなった素梅の父親から素梅姉妹の面倒を見てくれと頼まれており、密かに素梅を思っていたが、口にはだせない。素梅は何かと言っては家にやってくる大春は兄のようであっても、興味はもてなかった。器械に「愛」は御法度。感じた途端に器械はハングしてしまう。徳明は素梅を見るたび、心がざわざわするのを感じるようになっていた。そんな時、同じく器械のK-88(呉京)が造反、自由を求めて人間の言うことを聞かなくなっていた・・・。


器械がクローズアップされたポスターと「機器侠」のタイトルは、ミスリードではないか。トランスフォーマーガンダムも合体も変形も興味のない私は、これは見ていいのか、どうしようかと迷いながら映画館へ行ったのだが、物語りを読めばわかるように、中身はラブコメだったのでびっくり。だから別に器械な人間でなくてもいいようなものを、セントロのCG技術を見せるための器械かと疑ってしまう。その器械の造形がいいのか悪いのか斬新なのかどうかは分からないので、なんとも言えない。CGがふんだんなことを除けば、ストーリーには特に目を見張るようなことはなく、少しばかり退屈。
胡軍は最初こそ胡軍らしいイメージだが、中盤から後半になるとすっかりコメディ。ひょっとして歌は自分で歌っているのか? 方力申はアトムばりM字額のなで付け髪とつるっとした顔で人間離れ。鄭中基は付け出っ歯。曾志偉はいつも泣き顔。孫儷には眼鏡で林亞珍っぽく。誰の造形もやっぱりコメディちっく。孫儷の声は[登β]麗欣(ステフィー・タン)が、胡軍の声はたぶん銭嘉樂が吹き替えている(銭嘉樂と鄭中基の声が少し似てるかも)。呉京の声は誰だか分からなかった。2009.8.23@新寶戲院


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