박쥐(饑渇誘罪)(渇き)

《饑渴誘罪》ソン・ガンホ、キム・オクピン、キム・ヘスク、シン・ハギュン、パク・イナン 
パク・チャヌク:監督


病院につとめる神父(ソン・ガンホ)は、病院で人の死をみとるだけの自分の無力に、海外で増えつつある正体不明の伝染病・マヌエル病のワクチン製造に関わる生体実験を申し出る。ワクチン研究所で伝染病に感染し、容姿は崩れ血を吐き、一旦は心臓が停止するが、輸血で奇跡的に生還する。しかし彼はその輸血でバンパイヤになってしまっていた。
神父は奇跡を起こしたとして多くの人から祈祷して欲しいと言われるようになる。その中の1人に、病気がちの幼なじみカンウ(シン・ハギュン)がいた。神父は今は彼の妻となっている孤児院育ちのデジュ(キム・オクピン)に惹かれるものを感じるようになる。姑にこき使われ、夫には満たされないものを感じていたテジュもまた、神父に惹かれて行った・・・。


スプラッターなラブコメソン・ガンホは軽々演じてるような感じ。吸血鬼になった神父は、蝙蝠のようにビルからぶら下がるし、空は飛べるし、高いところにも飛び上がれる。吸血鬼は血を吸わないと顔に水泡のようなぶつぶつが出来てきて、面相が崩れていく。病院つとめの神父は、昏睡状態の患者から、新鮮な血を失敬している。その姿もかなり滑稽。こういうばかばかしい表現を真面目に演じるソン・ガンホが可笑しい。最後に向かって、デジュがどんどん凶暴化していくのが面白い。シン・ハギュンが青白い顔で変態チック。アイロニーがあってなかなか面白かった。
2009.10.15@香港亞洲電影節(ifc)


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