月變月圓

監督と出演者たち。7人の監督が、黄霑(ジェームス・ウォン)の《家變》の歌詞の一節をそれぞれ選び、そこからインスパイアされるストーリーを7つの短編に仕上げた。

《繼繼嬉戲》

周嘉年(ケニー・チョウ):監督(香港)
1組みの男女が満月の夜にコスプレをして遊ぶ。浴衣(足袋はいているし、打ち合わせは逆だし、男性の浴衣は旅館の浴衣だし)、ウエディングドレス、牧師と修道女など。

《幸運籤餅》

洪光賢(ブライアン・ホン):監督(中国)
福建省からニューヨークへ移民した女性の話。ナレーションは福建語。福建語の歌(演歌みたいな曲調)が物語りを象徴している。

《循環》

林基雲(ゲヴィン・リン) :監督(シンガポール
毎日毎日、同じ雑貨屋でビーフンと干ししいたけと缶詰を買う男の秘密。1960年代風なファッションの女性を登場させて、レトロな演出が面白い。ホラー風味。

《百合的聲音》

山田雅史:監督(日本)
1人暮らしの農家の中年男の元に突然現れて突然消えた女性。ナレーションがとても魅力的な声なのだが、物語りは?

《我們在一起》

何志平(ハーマン・ホー):監督(香港)
陳逸寧、張穎康が出演。妻の行動を不審に思い、探偵をやとって調査する夫。しかし探偵こそが妻の浮気相手だった・・・。

《蝴蝶的顏色》

應亮(イン・リャン):監督(中国)
母は留守。寝たきりのおばんちゃんの薬を煎じていた少女は、外で騒ぐ男子を注意した時、家の扉は閉まってしまい、家に入れなくなった。中では薬を煎じている。なんとか鍵を開けて部屋に戻らなければ・・・・。

《風車》

黄修平(アダム・ウォン):監督(香港)
喬寶寶、葉蘊儀が出演。インド籍の喬の息子は学校では集中力がなく成績も悪い。学校に呼び出された帰りに喬は、息子と廟にお参りに行き、運勢を占ってもらう。家に帰る途中、喬は聞き分けの悪い息子を叱った。眼を離したすきに息子は廟で買った風車を持ったままはぐれてしまった。青くなって息子を探しまわる喬・・・・。


歌詞を解釈し咀嚼して、物語りを創っていく能力の違いがはっきり。やはり、應亮と黄修平が圧倒的にいい。黄修平には、早く次回作を創ってもらいたいものだ。2009.10.16@香港亞洲電影節(ifc)


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