塵垢小孩、指望、援交、金魚

《塵垢小孩》

Jung Yu-mi:監督(韓国)
銅版画のような線のアニメーション作品。捨てても捨てても、トイレに流しても、現れてくる人形(ひとがた)。ごみとも取れるし、うがった見方をすれば捨てられない心の現われともいえるのかも。

《指望》

陳嘉強:監督(澳門
マカオを舞台に、不動産屋に務める女性と家出少女の出会い。不動産屋に務める女性は母が自分たちのために空けてある部屋を人に貸してしまおうとする。フィアンセには自分たちで新しい家を買えばいいのだと言う。しかしフィアンセにはそんな余力はなさそうだ。少女は家に帰りたくない、路上で夜を明かす。少女の父母は離婚しているらしい。そんな2人がマカオの路上でほんのひと時出会う。

《援交》

廖劍清:監督(香港)
《援交》ネットを使って客を取っている君と欣。欣はウリはしないと決めていたが、君に諭され始めて客とラブホへ。2人はお金を貯めて北海道に旅行をしようと考えていた。しかしつい衝動買いをしてしまう君。お金はなかなか貯まりそうにない。そんな時、君が妊娠してしまう。怒った欣は、君の手帳を引き破ってしまう。君の代わりにラブホへ行く欣をタクシー運転手の父が偶然見かけてしまった・・・。
前作《粤・歸・縁》(id:hkcl:20061006)がよかったので、かなり期待したのだが、いまひとつぴんとこない。たぶん脚本のせい(物語りのせい)だと思う。欣がみかけは不良っぽいが、実は真面目だという設定なのだが、この存在が面白くない。「援交」は問題だと定義するにしても、「援交」やってる子の気持ちは理解できないともっていくにしても、欣の存在の説得力がいまいち。

《金魚》

楊毅恒:監督(マレーシア+日本)
出演者は日本人で、歌舞伎町を舞台にメイドカフェ(メイドと散歩)の女性と、かつて関係のあった大学の教師の再会。実験的なのか、画面がつねに二分されていた。川端康成の短編「カナリヤ」にインスピレーションを受けて創られた作品。カナリヤの代わりに金魚。


2009.10.20@香港亞洲電影節(ifc)


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