前度

《前度》舞台挨拶。鍾欣桐(ジリアン・チョン)、陳偉霆(ウイリアム・チャン)、詩雅(ミッシェル・ワイ)、周俊偉(ローレンス・チョウ)、曾國祥(デレク・ツァン)、向佐 
麥曦茵(ヘイワード・マック):監督


彼氏でトラベルライターの阿樹(周俊偉)と旅行に行こうとしていた周怡(鍾欣桐)は、ひょんなことから彼氏と大げんか。財布もパスポートも彼氏の手元。母に電話をするが、旅行にいっていて帰ってくるのはいつになるのやら。空港で偶然となりに座っていた元カレ・陳均平(陳偉霆)と彼女・阿詩(詩雅)の計らいで2人の部屋に少しの間、居候させてもらうことになった。
まるで自分の部屋のように振る舞う周怡に手を焼く陳均平だが、彼女を追い払うわけにもいかない・・・。


鍾欣桐スキャンダル後の初主演映画。もう怖いものはないだろう。これまでのイメージは捨てさり、セクシー路線(といってもバディはナイスではないので)でも、エロっぽい路線でも、どんな役でも演じられる。スチルで話題になった陳偉霆との入浴シーンも演じてしまう。(それにしてもTwinsの相手はいまのところ陳偉霆と決まっているのか?)とくにかく見ていて一番いらいらするタイプの女性を演じていた。陳偉霆以外は、周俊偉、曾國祥、向佐と渋い選択。
前作はあきらかに監督の映画だったが、今回は監督の影は薄く鍾欣桐の映画。しかしそれにしては鍾欣桐があまり生きていない。たぶん鍾欣桐に魅力は強そうに見えて、実はもろいところだと思うが、この映画では強いだけで、もろさが見えない。主役のキャラクター作りに、もう少し工夫が欲しかった。まだまだ監督が映画の主題を手中にしてない感じがしてとても残念だ。「前度」、つまり「前の」という切り口は面白いが、前作のように強烈な印象を与えてはくれなかった。インディペンデント映画から商業映画への転換の難しさを感じる。
さらにビデオからフィルムにする際の失敗で、一部画面がソラリゼーションのようになってしまい非常に画面が悪かったのもマイナス要素だった。
2010.4.6@香港國際電影節(香港文化中心)


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