帰來

《帰來》阮玲玉、黎鏗、高占非、妮姬娣娜 
朱石麟:監督 1934年 モノクロ 無声 
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上海郊外の旧家、夫が外国へ旅立つと、もどなくして内戦が勃発。その混乱に妻(阮玲玉)は行くへ不明となり、一家は妻が亡くなったものと思う。外国に居る夫にも妻が亡くなったと知らせると夫は傷心。夫は異国でとある女性を知り、再婚しようと考える。ところがそのころ、田舎では亡くなったと思っていた妻が戻ってきていた。喜んだのもつかのま、夫は女性をつれ戻ってきたのだった。
夫は女性に妻を妹だと紹介するが、男の行動を不審に思った女性が問いただすと、死んだと思っていた妻だと告白。女性は自分を取るか妻を取るかと迫る。それを知った妻は自ら身を引く決心して身を隠す。息子は、女性にはなつかず、しまいには病に・・・。


阮玲玉が今見ると滑稽なほど犠牲的精神に溢れる女性を演じる。悪者は登場しない。ただ内戦に翻弄された人々が描かれる。男は2人の間でおろおろ、あたふたしているだけで、物語を解決するのは男性ではなく、女性だというのが印象的。
2010.6.12@香港電影資料館(神女生涯原是夢 ・ 阮玲玉電影展)


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