狄仁傑之通天帝國(王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件)

《狄仁傑之通天帝國》劉徳華アンディ・ラウ)、劉嘉玲(カリーナ・ラウ)、李冰冰(リー・ピンピン)、梁家輝(レオン・カーファイ)、鄧超、泰迪羅賓(テディ・ロビン)、呉耀漢(リチャード・ン) 徐克(ツイ・ハーク):監督




洛陽では、巨大仏像が急ピッチで建造されており、武則天(劉嘉玲)が即位する日も近くなってきた。そんなころ、武則天が信頼をおいている部下が次々、体が突然発火するという謎の死を遂げていた。武則天は、國師(高僧・映像では鹿)の言葉に従い、洛陽を追放され罪人となっている狄仁傑(劉徳華)を連れ戻し、調査究明に当たらせることにした。狄仁傑の監視役には側近の静兒(李冰冰)と裴東來(鄧超)をあたらせた。狄仁傑は大仏製作の監督となっていたかつての同僚・沙陀(梁家輝)と再会を果たし協力を求めたのだった・・・。


プロデューサーは相性の悪い陳國富で、探偵もの(いや違うか?)、荒唐無稽な巨大仏像の外観と内部、発火する人間、GCふんだんなオープニングに少々不安がよぎったが、話が進むにつれ、不安要素は少しずつ減少していき、最後には映画を楽しんでいた。娯楽映画はこれでいい。途中、中だるみ感と物語上に少しの疑問はあるものの、久々に徐克、本領発揮か。
劉徳華は《大隻佬》なみのぼさぼさ状態で登場。さらに李冰冰からの誘惑と反発をアクションを交えながらスリリングに演じて見せる。李冰冰は、どのあたりが自分でどのあたりが吹き替えなのか不明だが、かなりのアクションを強いられる役。きりりとした表情とスリムな体で鞭をあやつる姿はなかなか魅力的。アップになるとやはり歳は隠せない劉嘉玲だが、女帝・武則天は貫禄ではまり役。この映画の武則天は、誰かを呪い殺そうとしたりはしない。梁家輝は、挫折を味わった官僚といった風情で登場するが、その実は・・・・。最後にはアクションもあり(吹き替えありだろう)、物語を要所でしっかりまとめていく。
天を突く巨大仏像、さらに地底の世界と、縦の動きが強調されているのも面白い。探偵役の劉徳華、実はもう少しくせ者っぽくてもよかったのではと思うほど、意外にあっさりこの役を仕上げており、主役4人(劉徳華、劉嘉玲、李冰冰、梁家輝)が、いいバランスで登場している。クセ者役には、顔もクセ者っぽい鄧超、また、1人の役を呉耀漢と泰迪羅賓の2人に演じさせたのも意表を突いた面白いアイデアだった。続編も作れそうな感じで終わっているが、どうだろうか・・・。
2010.9.24@UA時代広場(プレミア)


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