「左几的國泰粵語片」

紀陶(左)と何思穎。出席:何思穎、紀陶 
於:香港電影資料館 
2010.10.09


國泰といえば、國語映画が主流だが、実は粤語映画も撮影していた。解説によると・・・

國泰機構は1956年香港に電影懋業有限公司(電懋)を設立する以前、1953年には國際影片発行公司を創設し、翌年から粤語映画の製作を開始している。
豊富な資金とオープンで自由なスタジオ式撮影により、國泰機構の粤語作品は、同時期の他の製作会社による作品より、厳格でまじめで文芸的雰囲気の強い作品になっている。監督もまた、クリエイティヴィリティを発揮しており、李晨風も國際在籍中には《斷鴻零雁記》(1955)を撮影している。多くの粤語片監督の中でも左几は最も多く作品を撮り、さらに最も個性的で、大胆な試み、主題の多様さで、個人の作風を作り上げている。

この日は、ビデオを見ながら左几の作品を読み解いた。
左几は他社でも撮っているが、資金の豊富さで勝る國泰で撮ったものが、総じて水準が高い。
また、カット割りの正確さ、感情を表すための手段の的確さ、長回し、クローズアップ、パン、画面の切り替え、音楽とシーン、音楽と人物の動きの連動が素晴らしい。《月宮寶盒》ではラベルの「ボレロ」を使っており、このシーンは非常に面白い。。。


また左几の息子さん2人が会場に来ており、父親について語った。息子さん(とっいてもいいお歳)は、左几は時間に正確で、仕事はまじめ。音楽が大好きでレコードコレクションがすごい枚数だった。息子2人はともに音楽の関係の仕事についた。また料理の腕も素晴らしかったそうだ。


黎民偉の息子・黎錫にしても、今回の左几の息子にしても、蕭芳芳にしても、電影資料館で古い映画を掛けると、(電影資料館が招待しているわけではなく)、関係者が自分でチケットを買って見に来るのにはちょっと驚く。