杜拉拉升職記

《杜拉拉升職記》徐静蕾(シュウ・ジンレイ)、黄立行(スタンリー・ホアン)、莫文蔚(カレン・モク)、呉佩慈(ペース・ウー) 
徐静蕾:監督


杜拉拉(徐静蕾)はあるアメリカ籍企業に就職した。部署は秘書課、お給料は4000元/月。スニーカー履いて出勤、会社に着いたらパンプスに履き替え、帰りは階段を走って下りてジム代わり。そんな彼女がこしらえた、会社の社長やらが載った雑誌記事のスクラップが上司の目にとまったのにはじまり、会社の引っ越し係を引き受け、さらにはセールス部門の秘書が辞めた後釜にとどんどん出世、給料も上がる。
恋の方も、会社中の女子があこがれる若手やり手が実は閉所恐怖症だったのを偶然知ってしまったことからはじまり、社員旅行でついにいい仲に。会社に帰ってみれば彼の秘書にと、恋も順風かと思えたが・・・。


ストーリーを書いていると、安いマンガがトレンディドラマな内容なのがはっきり分かる。外資系企業には着飾った女性社員だらけ。とても社食とは思えないキャンティーンで昼を食べたかと思えば、社員旅行はタイ。社内恋愛が御法度な会社。恋愛発覚後にはどちらかが退社。初任給の4000元はリアリティのある金額か? ベースアップする事に主人公のお召し物はどんどん高級になっていく。そして失恋の傷手はショッピングで癒す主人公、カードでスポーツカーを購入、さらにはブランドショップで衣装を買いあさる。1年たらずでそんなに貯蓄できるのか、と、そんなことばかりが気にかかる。同名の小説の映画化だそうだが、こんな小説が中国でベストセラーだということも驚きだ。
ただ、杜拉拉はドジで間抜けでも一生懸命やれば誰かが認めてくれるというような前時代的な主人公ではなく、聡明で向上心をもって仕事に臨み、恋愛よりはまずは仕事と考えるあたりは納得できるし、そんな役を徐静蕾が嫌みなく演じている。
2010.10.14@香港大会堂(中國電影展2010・她們的光影世界)


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