乗著光影旅行(風に吹かれて・キャメラマン李屏賓の肖像)

座談会。姜秀瓊・關本良:監督


「光影魔術師:李屏賓」特集の1本。李屏賓(リー・ピンビン)と彼を起用した監督らへのインタビューで構成されたドキュメンタリー。上映後、李屏賓と黄仲標の座談会があった。


このドキュメンタリー、英語題を訳すと「風に吹かれて」だが、中文題の「光と影の旅行」が本質を捕らえているような気がする。カメラが捕らえるのは光と、光が創り出す影。光が無ければカメラは何も捕らえることは出来ない。では、その光はどこからやってくるのか。光源はどこからやってくるのか、そして何か。昼間の太陽なのか、朝日なのか、夕日なのか、室内のライトなのか、燭台のあかりなのか。季節は。場所は。これらはすべてカメラマンと照明が創り出す。感情を語るのは台詞だけではない、光と影で出来た画面そのものが映画の感情を大きく担っている。そんなことがよく分かる映画。
座談会は次の映画がせまっていて途中までしか聞けなかったが、李屏賓は香港で多くのアクション映画を撮っており、ワイヤー処理の話は興味深かった。
2010.10.24@百老匯電影中心(香港亞洲電影節)


■□10年に見た映画一覧□■