호우시절(好雨時節)(きみに微笑む雨)

《好雨時節》チョン・ウソン、高圓圓(ガオ・ユアンユアン) 
ホ・ジノ:監督


物語は日本語の公式サイトを参照。成都を舞台にしたラブストーリー。詩人の杜甫四川大地震が物語のキーになっている。中国・韓国合作映画。


監督のホ・ジノの作品は「春の日は過ぎゆく」「四月の雪」だけしか見てないが、あまり大げさではなく細かい感情を丁寧に撮っていくという印象。この作品でも、10年ぶりに会う2人の心の微妙な動きを、焦らずカメラが追いかけていく。物語が展開しそうでしない。いらいらするといえばそうなのだが、それはまさしく、高圓圓扮するメイのためらいであったり、チョン・ウソンの高圓圓への徐々に募っていく思いそのものとなっている。


合作映画だと、それぞれの地域の俳優が男女主役を演じる場合が多く、言語が多いに問題になる。今回もチョン・ウソンと高圓圓、韓国と中国の俳優が主演しているが、アメリカ留学時代に知り合ったという設定でお互いの第二言語である英語で会話していく(お互い自分の声だろうと思う)。これがいいか悪いかは別にして、設定としては素直に受け入れられ、合作映画が時に陥りやすい、どちらかの言語に頼ったために主役の片方が下手な言語で会話を展開してしまうという事態をなんとか回避しようとしている。それは物語と使用言語の必然性を考えた結果なのだろうと思える。
2010.11.7@The ONE百老匯(香港亞洲電影節)


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