至愛親朋

《至愛親朋》白茵、江漢、姜明、周驄、李清 
李晨風:監督 1976年 國語 新聯


マカオのお金持ちはケチで有名。1人娘には誕生日ごとに宝石を贈っている。親友とは名ばかりの男や弁護士がお金持ちからなんとか金を引き出して、ビルを建てようとしたり、娘に取り入ろうとしたりする。娘は外国帰りの従兄に恋心を抱くが、従兄も娘から宝石をかすめ取って姿を消してしまう。お金持ちは親友を出し抜いてやろうとして、自分が罠に落ち、建設したビルが自分のものに成らないことを知ってショックのあまり体をこわす。弁護士は娘に遺産を相続させ、自分が娘と結婚して家業の会社を我がもにしようと考えるのだが、娘の方が一枚上手だった・・・。
解説によるとバルザックの「人間喜劇」の「ウジェニー・グランデ」が原案。


株やら土地やらビル建設を絡めて、バルザックが香港的になっている。騙したり、騙されたり、裏をかこうとして失敗したりと駆け引きもコメディチックで面白い。李晨風はどたばたしても下品にはならず、文芸的香りを残しながら粋に作っていく。特にエンディングはなかなか風刺が効いている。
弁護士役の周驄の髭をつけた顔がにやけた詐欺師風だったり、出てくる人物の服装、顔つき、セットの家の構造なども含め西洋風なのは、やはりバルザックが原作だからかもしれない。白茵がどうも若尾文子に見えてしょうがなかった。
2010.12.18@香港電影資料館(六十年電影光輝 ・ 從長鳳新到銀都)


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