靚妹正傳

《靚妹正傳》楊羚、區凱倫、施偉然 
邱禮濤(ハーマン・ヤウ):監督 1987年 
粤語 カラー 銀都


阿珊(楊羚)と友人はともに屋邨育ち。阿珊はコンビニで働いており、彼女を気に入っているディスコでDJをする男が毎日決まった時間にやってくる。友人(名前忘れた)は映画の女優の端くれで、ある日、阿珊に一緒にオーデションに行こうと誘う。気まぐれでついて行った阿珊は、監督の目に止まり、2人は少女たちの生態を描く映画の主役に抜擢される。ふとした行き違いから、友人はディスコのDJが阿珊を好きだと知らずにDJを気に入ってしまう。阿珊は友人の為に一度は身を引くが、彼の心が自分にないと知った友人は荒れ、これみよがしに映画プロデューサーとくっついてみせる。映画のラッシュを見たプロデューサーは、追加撮影を阿珊に要求、それは話にはなかったベッドシーンだった。
できあがった映画の披露会を台無しにして逃走した阿珊は、DJの元に身を寄せていた。披露会の騒動のおかげで映画は大ヒットし、阿珊の母は映画プロデューサーと勝手に映画出演の契約を結んでしまうが、阿珊の居所は知れない。プロデューサーらはDJを探しだし、ぼこぼこにした。阿珊は1人、DJの元を離れ、安宿に身を隠した。阿珊は妊娠していた。
数か月経ったある日、友人はお腹の大きい阿珊を偶然見つけ部屋に招き、子供の父であるDJに電話をした・・・。


話題になった《靚]妹仔》(id:hkcl:20070316)が撮られたのは1982年。その後84年には続編の《停不了的愛》、86年には第3集の《午夜麗人》が撮られているが(どちらも未見)、その流れの上にあるのがこの《靚妹正傳》なのだろう(続編という意味ではないが)。映画は「監督が私の物語を撮りたいというので、話すことにします」(細かい言葉は不確か)というように、実話風に始まっている。
80年代のファッション、メイク、ディスコ、バンドなど、当時の様子がよく分かって面白い(当時のファッションとメイクは今見るとホント恥ずかしのだが)。さらに映画関係者がまるでヤクザだったりと、これも結構リアルなのかもと思えてしまう。音楽を政治色の強い黒鳥樂隊の郭達年が担当(解説による)、Beyondが客演し歌い、杜麗莎も劇中に歌を披露するなど、今見ると豪華。邱禮濤にとっては初監督作品だが、今と変わらず、破綻もせず、手堅く撮っているのに驚く。2010.12.25@香港電影資料館(六十年電影光輝 ・ 從長鳳新到銀都)


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