贖命

《贖命》Leslie-Anne Huff、陳奕迅(イーソン・チャン)、Roy Werner、Kimberly Estrada、Anthony Chaput、Antonella Monceau 
周隼(クリス・チョウ):監督


ケイトは一目見ただけで、その人の死期が分かるという不思議な能力を持っている。ある日、仕事先のダイナーで客・ジェイソンに「数時間後に死ぬ」と告げ、「死後の世界がどんなか知らせて欲しい」と語るのだった・・・・。


こういう話はストーリーを書いてしまっては身も蓋もないので、さわりのみ。
不可思議な物語に信憑性を持たせるのは、映画では映像だが、その映像が面白くない。ビデオで撮ったのかと思うほど(フィルム撮りだと思うが)平板な画面と色のつまらなさが、そのまま映画のつまらなさになってしまっている。物語そのものは、もし小説なら、好き嫌いはあるだろうが、それなりに面白いのではと思うが、その面白さが映像には感じられない。隣の席のカップルは途中で帰ってしまったほどだ。
監督は中国生まれ、香港育ち、その後、南カリフォルニア大学の映画制作課程を卒業し、アメリカや中国で映画制作にかかわり、これまでに10本の脚本を書いている。代表作に《霍元甲》《Blood The Last Vampireラスト・ブラッド)》がある、という人で、この映画が初監督作品で、実は2009年に撮影されている(劇中、灣仔の會展が映るが、増設工事中であれと思う)。ロケはロスと香港とパリで、香港映画だが全編英語で撮影されている。香港もいまいち魅力的には撮られていない(おなじみの白宮冰室も登場しているが・・・)。ついでにポスターデザインもいただけない。
今後に期待したいといいたいところだが、蘇照彬《詭絲(シルク)》あたりも思い出してしまい、暗澹たる思い。09年に撮影されて、2年も塩漬けされていたのも頷ける(というか何故今頃公開?)。
2011.12.2@The One百老匯


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