The Lady(昂山素姫)(The Lady 引き裂かれた愛)

楊紫瓊。
楊紫瓊(ミッシェル・ヨー)、デヴィッド・シューリス、Jonathan Raggett、Jonathan Woodhouse、Susan Wooldridge、Benedict Wong 
Luc Besson(リュック・ベッソン):監督


日本でも公開になるらしいので、詳しい物語は省略。母の面倒を見るためイギリスから帰国したアウンサンスーチーは祖国の惨状を目の当りにする。さらに亡き父の支持者たちからの懇願もあり、ミャンマーにとどまることを決め政治活動を開始するが、彼女の存在をうとましく思う軍事政権はさまざまな手段を使ってなんかと彼女を排除しようと考える。


この日は上映後、監督と楊紫瓊を交えてQ&Aがあった。
なによりも楊紫瓊の努力を称えたい。顔のつくりがもともと似ているのだが、写真や動画を見ながら、歩き方や仕草などさまざまな動作をまねし、さらにミャンマー語も学習して映画に臨んだという。彼女はこの企画の話を小耳に挟んだ時、「これは私がやるべき映画だと思った。制作は誰なのかと捜すと、あちらも私を捜していた」というから、相思相愛な人選。カンフースターとしてしか認識されていない彼女だが、この映画ではもちろんアクションは一切ない。自国と家族を愛して、静かに戦いを続ける一人の女性を丁寧に演じている。映画が進むにつれて彼女の顔がどんどんアウンサンスーチーその人に見えてくる。この日、会場にミャンマー出身の人がおり、楊紫瓊の英語なまりのミャンマー語は素晴らしいと褒めていた。
タイに作った自宅セットは、さまざまな資料を参考にして作った。「写真を見ながらメジャーではかった」と冗談まじりに監督は話していた。後になって分かるのだが、このセットは実際のアウンサンスチーの家と寸分違わなかったそうだ。唯一ちがっていたのはカーテンの色だったとか。また服装についても写真を元に作っていったそうだ。
ベッソンはこの映画の中国公開について質問され、「外国映画の公開は25本(もっと多かった気もするが?)と決まっているから、その中には入るのは難しいだろう」と政治的なことを理由にはしていないが、この映画から六四や劉暁波を連想するという声もあり、大陸での上映はやはり難しいのだろう。
2012.2.4@The Grand Cinema(優先場)


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