הערת שוליים(Footnote)(フットノート)

《Footnote》
Shlomo Bar'aba、Lior Ashkenazi 
Joseph Ceda(ヨセフ・シダー):監督


Shkolnik家の父と子はともにイスラエルの大学でタルムード(モーセが伝えたもう一つの律法とされる「口伝律法」を収めた文書群)の研究をしている。息子は論文や本も多く出版し、学会でも世間的にも評価が高い。父は古いタイプの学者で図書館にこもり文献をひとつひとつ丁寧に見ながら研究を行っているが、不運もあり研究はあまり評価されていない。ある日、イスラエルのアカデミーが息子と間違えて父の方にアカデミーの年度賞の受賞を伝えてしまった。長年の研究が認められたと喜ぶ父だったが、本来アカデミーは息子に賞を与えようとしていたのだった。アカデミーは息子を呼び出して、間違いを伝えるのだが・・・。


カンヌ映画祭脚本賞を受賞した作品。中文字幕でも十分に面白かった。ライバル心、葛藤、愛、尊敬、嫉妬などの父子の感情が、細やかにさまざまな形で表現されていく。リズムもよく、時には滑稽でもあり、哀しくもあり。さらに父の妻(つまり息子の母)の存在感がこれまたすばらしい。台詞はほとんどないのだが、父と息子のクッションになりすべてを悟って家族を包み込んでいる。
一家が「屋根の上のバイオリン弾き」の舞台を見に行くシーンがある。一家三世代が同じ芝居を見ている。こいうシーンはイスラエルの家庭では普通のことなのだろうか。家族の繋がりが中華圏に近いようにも思える。
ちなみにフットノートとは脚注のこと。


2012.3.17@香港國際電影節(香港科学館)


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