秋月(オータム・ムーン)

《秋月》
永瀬正敏、李佩蕙、木内マキ 
羅卓瑶(クララ・ロー):監督 1991年
(香港公開1992年)


Tokio永瀬正敏)は、ビデオを片手に香港にやってきた。1時間半粘って値切った宿に泊まっている。海辺で釣り糸を垂れていると、そこに魚はいないと少女(李佩蕙)に言われる。Tokioは少女に美味しいレストランはないかと聞くが知らないと言われる。また次の日、同じ場所でTokioは少女に最もポピュラーなレストランで案内してくれと頼む。少女はTokioをマックに連れて行くがTokioは当然納得できない。困った少女は自分の家にTokioを連れてきて、祖母の手料理を食べさせる。少女の一家は祖母と少女を残して全員カナダに移民しており、少女も来年にはカナダに移民することになっていた・・・。


Tokioと少女との交流に、少女の初恋、Tokioと初恋の人の姉(木内マキ)との関係が平行して進んでいく。
1991年、返還が近づく香港では移民する人が多かった。移民の過程で、家族が離ればなれに住んでいて、香港には祖母と少女と猫が残っている。Tokioが美味しいレストランを訪ねると少女はマックへTokioを連れて行く。少女はマックでの誕生会の思い出をTokioに聞かせる。少女は自分が病気の時には祖母が漢方薬を作る匂いがしたことを思い出したり、もうすぐ香港を離れる少女は過去の出来事を追想する。恋をしているらしい少女はTokioに彼氏とキスしたら胸がどきどきした、どうして?と尋ねてもみる。
Tokioは香港に居る初恋の人の姉に連絡をとる。姉は離婚てしおり1人で香港に暮らしている。懐かしさからか2人は関係を結ぶ。このシーンがそれなりに激しいので映画は3級扱いになっている。姉は自分をおばさんと呼ぶがどうやらまだ30歳らしい。
Tokioは自分は泣けないのだと姉に話す。しかしTokioは泣けないだけでなく、いろいろな感情や記憶が欠如しているように見える。しかし少女との交流で感情と記憶を取り戻していくようにも思える。
永瀬正敏が若いのはいいが、角刈りのような髪はちょっといただけない。当時こういうのが流行りだったのだろうか?
林海象が企画、永瀬正敏を主演にした「アジアン・ビート」シリーズの第6弾で、日本ではビデオ発売のみだったようだ。当時、見たのかどうか記憶がない。林海象が好きではなかったので見ていないかもしれない。もし見たとしても当時こういう映画は嫌いだっただろうと思う(笑)。今見ると意外にいいと思ってしまうのは、歳をとったからなのか・・。
2012.5.26@百老匯電影中心(Le French May「電影雙城:巴黎−香港」)


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