母語

《母語》
方中信、秦嵐、汪裴、午馬 
俞鐘:監督


テレビ局のレポーター・方韻(汪裴)と科学者の張磬(方中信)夫婦は互いに忙しく子供がいなかった。さらには流産も経験して妊娠するのが少し怖くなっていた。しかし子供が欲しいと思う夫婦は、友人から聞いた代理母に興味を持ち、大学生・李妍(秦嵐)に代理母を頼むことにした。妊娠した李妍は、夫婦と同居して子供を出産後には家を出る約束だった・・・


実話に基づいた話しで、母親とは何か、親子とは何か、夫婦とは何かと観客に問うている。問題提示映画としては、それなりに価値はあると思うが、映画そのものの出来はいまひとつといったところ。3人の心の変化がこの映画の核だが、その描き方に深みが足りず不満が残る。
話の筋に関係なく、とにかく驚くのは、この夫婦の住まい。テレビレポーターと科学者の裕福な夫婦ということで、その家は一軒家で、家の前には小川が流れ、家の中にも小さな池があったり、室内プールが備え付けられていたりと、とにかく豪華な住宅。そしてこの広々とした家に夫婦2人で住んでおり、家政婦はいないのが不思議きわまりない。そんな豪華な住宅(もちろんどこかの家を借りたのだろうけれど)に比例しないのは、夫婦の服装。同じ服装で複数回登場するのは少し興ざめする。そういった住宅や服装の細部のおざなりさが、全体にも波及してしまうのか、なんだか物語が空々しく感じられてしまうのだった。
2012.11.07@香港電影資料館(中國電影展)


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