一九四二

《一九四二》
張國立、徐帆、陳道明、張涵予、李雪健、エイドリアン・ブロディティム・ロビンス 
馮小剛:監督


「一九四二年、私の故郷河南は干ばつで食べる事が大変だった。この時世界ではスターリングラード攻防戦が始まり、ガンジーが絶食し、宋美齢アメリカを訪問し、チャーチルが風邪をひいた」。
1942年、河南一帯は大干ばつに見舞われた。隣の村人が盗賊となって老東家(張國立)の村に食糧を奪いにやってきた。さらには戦争がせまるなか、老東家は妻、娘、母、村の他の人々とともに、もてるだけの食糧と金をロバに積んで陕西に向って移動を始めた。食糧は乏しく、寒さのます苛酷な旅で、多くの人は亡くなっていった。その頃、アメリカ「タイムズ」誌の報道員ホワイト(エイドリアン・ブロディ)は、河南の干ばつを知り、国民党政府に進言しようと手をつくすが、厄介者扱いされ、とりあってはもらえない。彼は単身、河南に入っていこうと考える。しかし、蒋介石(陳道明)は河南を救うどころか、日本軍に渡してしまおうと考えていたのだった・・・


劉震雲著『温故一九四二』が原作。またも馮小剛は過去の政府(今回は国民党政府だが)の失策をあぶり出して見せている。今回はさらに巧妙だ。その真意が読めない。もちろん彼の思いの根底には国家の基礎は"民"なのだという頑固たる思いがあるのだろう。民なくして(おろそかにして)國はない。今の日本政府にもこの言葉を声を大にして言いたい。とにかく映画を見終わってそう強く思った。
2012.12.11@UA朗豪坊


■□12年に見た映画一覧□■