葉問:終極一戰

《葉問:終極一戰》
黄秋生(アンソニー・ウォン)、袁詠儀(アニタ・ユン)、鍾欣桐(ジリアン・チョン)、陳小春(チャン・シウチョン)、洪天明ティーミー・ハン)、蒋璐霞、周楚楚、曾志偉(エリック・ツァン)、熊欣欣 
邱禮濤(ハーマン・ヤウ):監督


香港へやってきた葉問(黄秋生)は、港九飯店職工總會の屋上を提供してもらい詠春拳を教えることにした。弟子には職工總會の会長・梁雙(洪天明)、女工の李瓊(蒋璐霞)、点心売りの陳四妹(鍾欣桐)、警察官の[登β]聲(陳小春)らがいた。弟子はとるものの、葉問は看板を掲げることはなかった。


邱禮濤監督が撮った前作《葉問前傳》が好評で、その続篇として出来たのが晩年の葉問を描く本作。葉問の息子・葉準の語りで始まる。
工場労働者の賃上げデモ、警官の汚職、九龍城など、1950、60年代香港の記号をちりばめた娯楽作品。今年の香港國際電影節の開幕電影だったのも頷ける。
胃が悪く細かったと思われる実際の葉問とは風貌も体格も異なる黄秋生が演じると聞いて、少しばかり違和感を抱いてはいたが、映画が始まってしまえば、そのあたりはすべて演技でカバーしてしまっていた。さすが黄秋生。妻(袁詠儀)との夫婦愛も描くが、2人の広東語をわざわざ訛りにすることはなかったような気がする。さらに最晩年に面倒をみてくれた女性も登場。
天明はこのところ落ち着いてきていい感じの脇役になってきている。陳小春の警察官は台詞少なめだが、意外に印象に残る役で上手く演じていてよかった。また曾志偉の本格的な功夫シーンというのも最近の映画ではかなり珍しく、さらにそれが背丈のかなり違う黄秋生との戦いというのも刮目。熊欣欣が顔に傷跡のある憎たらしい役で登場するのも香港映画ファンには嬉しい。アクションとドラマの割合もほどよく、職人・邱禮濤監督が冴えている。
2013.4.1@The One 百老匯


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