名劍

《名劍》
鄭少秋、徐少強、陳琪琪、田豐、魏秋樺 
譚家明:監督 1980年 カラー DCP 嘉禾


剣客の花千樹(田豐)は、斉物と寒星の二振りの名刀を手にするが、刀鍛冶から斉物は災いをもたらすので破棄するように言われるが、名刀を破棄するにしのびなく、知り合いの女性に預け、自らは寒星を持って隠遁してしまう。若い剣客・李驀然(鄭少秋)は劍を学び江湖へ出た。偶然にも斉物を手にし、寒星を持つ花千樹との手合わせを切望し、花千樹を尋ねてあるくが、行くへは杳としてしれない。しかし花千樹を探す過程で偶然にも花千樹の娘を知り、思いを寄せるようになっていた・・。


譚家明(パトリック・タム)の映画デビュー作。徐克(ツイ・ハーク)の《蝶變》に似た雰囲気。劍にとりつかれた男の物語だが、男の心理より男に思いを寄せる女の心理の方が細かいのは、やはり譚家明ゆえか。
高雄がギョロっとした目で、徐少強(チョイ・シウキョン)の手下の不気味な刺客を演じている、暗闇で登場する時には目だけがひどく印象的。徐少強はといえば、嫉妬のあまり女をいたぶっていたのが似合いすぎる。そしてまたも若い時の鄭少秋(アダム・チェン)は古天樂(ルイス・クー)そっくりである。
最後の死闘では唖然とする場面があった(ねたばれで言えない)。武術指導は程小東。いろいろな意味で斬新。この映画、当時はどのように受け止められたのだろうか。
2013.4.1@香港電影資料館(奇謀闊步‧萬像嘉禾)


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