梁朝偉(トニー・レオン)、章子怡(チャン・ツィイー)、張震(チャン・チェン) 王家衛(ウォン・カーワイ):監督
ジャパン・プレミアの様子を(要約)。
出席は王家衛(ウォン・カーワイ)監督、梁朝偉(トニー・レオン)。
ゲストに真木よう子、AI、シェネル(Che'Nelle)。
司会:皆様ご挨拶を。
王家衛:みなさんこんにちは。とても嬉しです。《一代宗師》をもって東京にやってこれ、皆さんに会えたことをとても嬉しく思っています。
梁朝偉:みなさんこんにちは。十年たってようやく王家衛監督と新しい映画をもってきて、映画好きの人たちと会えた事をとても嬉しく思っています。この映画を好きになってくれると嬉しいです。
司会:どうしてこういうテーマの映画を作ろうと思ったのですか?
王家衛:刺激的で、見ごたえがあって、ロマンティックで、見た後みんなの心に永遠に残る武侠映画を撮りたいと思っていたからです。《一代宗師》はそういう効果を得られると思ったのです。
司会:葉問を題材にしようと思ったのは?
王家衛:葉問の人生はとても変化に富んでいます。また葉問は他の武術家とは違っていて、武術家というだけでなく文人の気質を持っている人です。また、彼の一生の間に多くの浮き沈みを経験しています。もともとは裕福な家の出ですが、晩年には総てを無くしてしまいます。しかし彼は、そういった経験の中でも、つねに自分の原則や精神を持ち続け、最後には《一代宗師》と言われるようになります。映画を撮るに値する人物だと思いました。
司会:トニー起用の理由。
王家衛:先ほど話しましたように葉問はただの武術家という印象だけではなく、文人の気質を持った人物です。葉問という人はこういう役ですから、優雅なまなざしを持っていて、文人の気質とロマンティックな性格を持った人です。こういう人に、梁朝偉はもっとも相応しキャスティングだと思います。みなさんもそう思いませんか。
司会:さすがですよね。
王家衛:それから梁朝偉はもう一つ特別な資質があったのです。それは武術の才をもっていたということです。この映画を撮る前には武術の練習をしたことはありませんでしたが、この映画を通して彼が武術の才があるということが分かったのです。
司会:葉問の役をやると聞いてどう思いましたか?
梁朝偉:もちろんとても嬉しかったです。子供の頃、李小龍の映画を通して葉問の事を知ったわけです。小さい時に彼を知りましたが、それほど深く知っていたわけではありませんでした。このように傑出した武術家を演じる事は大きな挑戦でした。
司会:訓練は3、4年かかっと聞きました?怪我は?
梁朝偉:しました。この映画を撮る前から功夫のトレーニングは大変だというのは知っていました。ただ、考えてもみない事がありました。それは練習しているとき、練習して約半年か9か月ぐらいたってある程度のところまで行った時に、トレーナーのキックで腕を折ってしまったのです。もっとも受け入れがたかったのは、骨折してしまって練習ができなくなって半年休んだわけです。そして好くなってみると、なんともう一度一からやり直さなければならなかったのです。そして、クランクイン初日にまた骨折してしまったのです。また半年休みました。功夫の練習が大変だというのではなく、このようにふんばり続けなければならなかったこと、毎回、転んでは起き上がり、転んでは起き上がらなければならなかった事です。だから、できあがってとても嬉しく思いました。大変大きな成就感がありました。
司会:トレーニング期間は?
梁朝偉:撮影前の準備に1年、撮影中も練習していたので全部で4年です。
司会:《そして父になる》主演の真木よう子さんです。
真木:女優をやっております真木よう子です。昨日からドキドキしっぱなしです。自分が出る映画より緊張しています。
司会:映画をご覧になった感想は?
真木:細かい、細部にこだわる映像に感動しました。受け継がれるのは技とより心だということばが胸にきました。この言葉は映画全体を語っているものだと思いました。
司会:真木さんの感想を聞いて、いかがですか。
王家衛:え〜。勿論とても嬉しいです。彼女はとても優秀な女優さんで、彼女が見てこのように感動してくれたことを嬉しく思います。とても満足感があります。
司会:《一代宗師》のアクションについて?
真木:規模が違います。何年も前から武術を習っていたと聞いて、尊敬しています。体の動かし方も筋肉も。
司会:カンフーやってみたいとか。トニーさんアドバイスはありますか。
梁朝偉:すごく大変ですよ。
王家衛:実は、トニーは素晴らしい俳優であるだけでなく、とても優れたコーチなんですよ。特に女性を教えるのが上手いです。
梁朝偉:あなたの腕を折ったりはしませんよ。よく聞き直したら「あなたの手を蹴ることはできないでしょうね」といっているようなので、「あたなの方が強いでしょう」に訂正しておきます。
こんな感じでした。
2013.5.30@TOHOシネマズ六本木ヒルズ(ジャパンプレミア)
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