梶芽衣子、李礼仙、渡辺やよい、真山知子、木村俊恵、藤木孝、八名信夫、森みつる、南原宏治、成田三樹夫
伊藤俊也：監督 1973年 東映
刑務所を脱走した女囚・さそり（梶芽衣子）は、なぜか電車に乗っていて、そこに刑事たちがやってくる。さそりはナイフを振り回し逃げるが、捕まり刑事（成田三樹夫）に手錠をかけられる。なおも抵抗するさそりは、手錠をかけた刑事の腕を切り落として逃げるのだった。墓地に身を隠したさそりは、そこで体を売っていたユキ（渡辺やよい）と知り合うのだった・・・。
冒頭からなかなかハード。しかし腕をぶらさげて街を走る梶芽衣子が真剣であるだけに、ちょっと笑う。さそりとユキは時に近づき、時に離れながらも、お互い運命に翻弄されている姿にシンパシーを感じているところが哀しい。梶芽衣子は劇中ほとんど台詞がなく、その印象的な目だけで感情を表していく。これは彼女だから出来る事だろう。
梶芽衣子のファッションがかっこいい。トレンチコートもよく似合う。渡辺やよいのケープコートはやはりマッチ売りの少女のイメージだろう。李礼仙の魔女のようなメイクと衣装はインパクトありすぎ。ヤクザのような刑事の成田三樹夫、ぬめっとした藤木孝、腹黒そうな南原宏治と期待を裏切らない配役。
真上からのショットが面白い。最初の方では部屋の中を真上から撮る必要もないのにと思うが、終盤になりさそりは地下の下水道を逃走し、地上のマンホールの穴からユキが覗き、さそりが見上げるというショットに至り、真上からのアングルが意味をもってくる。最初の無駄な真上のアングルはこのための布石なのかも。
女囚さそりのシリーズはずっと見たいと思っていた。今回は時間がつくれず第一作《女囚701号／さそり》は観られなかった。残念。
2013.11.20@ラピュタ阿佐ヶ谷（Prisoner♀[メス]残酷！おんな刑務所 ）
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