古天樂、林家棟、陳静、王敏徳、盧海鵬、駱應鈞、曾國祥、歐錦棠 林徳祿（デイビッド・ラム）：監督
商業犯罪調査課の黄文彬（林家棟）の妻が顔を腫らしながら夫の不正をICACへ訴えた。夫は会計事務所に関する調査で会計士・羅徳永（盧海鵬）を見逃してやっていた。
ICAC執行處首席調查主任・陸志廉（古天樂）はこの案件を調べていくうちに、香港で上場が予定されているZ基金に行き当たった。Z基金には政府の「關懷基金（思いやり基金）」が投資することになっていたのだ。さらには弁護士の胡志勇（王敏徳）、關懷基金主席及び前司長徐懷景（駱應鈞）、政府の役人らがが浮かび上がってきたのだが、ことごとく何者かに先回りされ、決め手となる証人を確保できない・・・。
最近のICACものといえば、《寒戦》をすぐに思い浮かべるし、《寒戦》に触発され企画されたのではないかと思えなくもない。
しかし主役の古天樂は特に目新しい事はなく、林家棟はいつもの狡猾な頭脳派で、王敏徳は紳士ズラした悪者で女好きという考えられる範囲の演技。陳静はこれが復帰1作目になるらしいが無難にこなしたと言う感じ。廖啓智の私立探偵が少しスパイス。張堅庭や羅冠蘭などベテラン、姜皓文、何華超、張兆輝など見知った顔も多数出演している。
ICACの真実追求とそれを阻止すべく立ちふさがる容赦ない大きなパワーの拮抗が最後まで猛スピードで展開していて、複雑な話と展開を追いかけるのに疲れた。
《寒戦》はみなが高評価だが、私は脚本に大きな穴があると思っているのでそれほどいい評価を与えていないのだが、それでも近年の香港映画の中ではまとまっていて見るに値する作品だとは思っている。それに比べると《Z風暴》はアクションが物語りを上回っていて映画が物語の表面を全速でなでていったという感が否めない。それは「戦＝War」と「風暴＝storm」というタイトルの違いがその実際を素直に表しているのかもしれない。
2014.7.2@百老匯 The One
■□14年に見た映画一覧□■
