真心英雄(ヒーロー・ネバー・ダイ)

劉青雲、黎明、梁藝齡、蒙嘉慧 杜琪峰:監督 
1998年


抗争を続ける2つの組織はそれぞれ殺し屋を雇ってボスを亡き者にしようとしていた。ボスを追って2人の殺し屋ジャック(黎明)と阿秋(劉青雲)はタイへ。


本来敵対する2人に連帯感ともいうべき感情が生まれるというのは、呉宇森ジョン・ウー)の《喋血雙雄》(狼/男たちの挽歌・最終章)を思い出すが、《喋血雙雄》が殺し屋と警察官なのに対して、《真心英雄》の2人は同じ雇われ殺し屋で、共に雇い主から見捨てられることから同じ感情を共有することになる。リスペクトされない専門職の悲劇。
ジャックは自分を救おうとして大火傷を負った彼女の為に身を粉にして働き香港に戻る決意をする。怪我を負った阿秋は彼女が必死の思いで香港に連れ帰る。しかし女性はことごとく酷い扱いで、蒙嘉慧は山に捨てられ(自ら望んでだが)、梁藝齡は苦労して苦労して劉青雲を香港へ連れ帰り、彼の為に組織にかけあうが容赦なく撃たれる。そして最後男2人は、自らの誇りの為に立ち上がる。
ラウチンがテンガロンハットを被っていたり、2人は殺し屋(=ガンマン)であったりするところや、バーでピストルの技を競うところなどから、なんとなく西部劇的要素も感じてしまう。「上を向いて歩こう」(ただし英語版)も効果的で、気分を盛り上げる。
2014.12.09@シネマート六本木
■□14年に見た映画一覧□■