目撃者(目撃者 闇の中の瞳)

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莊凱稃(カイザー・チュアン)、許瑋簶(シュー・ウェイニン)、柯佳嬿(アリス・クー)、李銘順(クリストファー・リー)、李淳(メイソン・リー) 程偉豪(チェン・ウェイハオ):監督 2017年


嵐の中、男の車は動こうとしない。そこへ車が通り過ぎ、程なくして何かに衝突したような音が聞こえた。男は慌てて車から飛び出していった。
敏腕記者の王逸齊(莊凱稃)はある日、国会議員の不倫を撮ったと急ぎ社へ戻る途中で車をぶつけられた。車を修理に出すと、この車は過去に事故を起こした車に違いないと言われる。王逸齊は知り合いの警察官に頼んで車体番号から事故の有無を調べてもらうと、なんと9年前の嵐の夜、自らが目撃した追突事故の被害者の車だった。さらに王逸齊がスクープした国会議員の不倫カップルが実は夫婦であったことが判明し、王逸齊は新聞社の職を追われることになる。王逸齊は先輩のマギー(許瑋簶)とともに9年前の事故の真相を調べ始めた。


映画を観る前にはなるべくストーリーを読まなにようにしている。主役の俳優の顔には認識がなく冒頭の嵐の中のシーンで登場するのが主人公だと認識できなかったため、このシーンは何?と、少しイライラしながら観ていくことになった。しかし物語は焦らず、目の前の表皮を一枚ずつ剥いていくと、次々と新たな形が現れてくる。これが真相かと思うとさらにその奥に違う姿が見えてくる。丁寧に作られていて、物語には破綻がなく、すべての要素は真相に向かって収斂していく。観終わって、ようやく物語の真相にたどりつくが、その奥にさらに謎があるかもしれないと思わせて終わっているところもいい。
台湾映画と聞いて思い出させるような街の風景は登場しない。終始暗めの画面でスタイリッシュに仕上げている。ただ、もう少し画面に色気があってもいいようには感じた。
2018.01.16@シネマカリテ


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