尋槍(ミッシング・ガン)

姜文、寧静、伍宇絹、劉小寧 陸川(ルー・チュアン):監督


ある日、朝起きると銃を無くしたことに気づく警察官。自分の子供が取ったのでは疑ってみるが、違う。子供は前の晩、妹の結婚式だっと父にいう。結婚式の招待客を訪ね探ってみる。そしてついに、その銃を使った殺人が発生してしまう・・。いったい銃は誰の手にあるのか・・。


舞台は四川省の田舎だそうで、これがいい。古く道が曲がりくねった道、緑いっぱいの山あい、村に不釣り合いの洋館、乗用車、金持ちのすかした野郎、美女、妻、子供、妹、その夫、知人、警察署長、みな個性的。
実はようやく見た。VCDを我慢していてよかった。やぱり映画館で見てこそ面白い映画だと思った。まず、薄暗い屋根裏部屋のような場所で、死んだように寝ている男(姜文)が映し出される。最初は死んでるんじゃないかと思うけど、どうやら違う。寝返り打ってうつぶせになったり、仰向けになったり、反対向いたり、何回も映し出される。すると女に怒鳴られ起きる、服を着て、腰に手をやると、あれ銃がない、銃がないよ!! ってところから、部屋中を引っかき回すように探す姜文。この最初から画面のリズムがいい。姜文が村をどんどん歩いていく、それが姜文の焦りの具合をうまく表していて、小気味よい。さらに所々入る、制止した画面(村の風景だったり、幼なじみの美女を見た姜文の顔だったり)がいい休止符になって、映画がどんどんリズミカルに進んでいく。あおり気味のカメラ、アップも多様しているけど、わざとらしさを感じないのは、このリズムのおかげ。登場人物も多くないし、カメラは村の中を出ないのに、こんなに面白い映画が出来る。


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