爾冬陞(イー・トンシン)

爾冬陞(イー・トンシン/デレク・イー)のインタビュー、たぶんネットでは見られないものだと思うので・・。ちょっと訳してみた。

  • 《旺角黒夜》わざわざ苦労を買っていると自嘲する

・爾冬陞、愚かにも価値がある。
《旺角黒夜》は絶妙組み合わせで、群衆場面や暴力的アクション、さらに爾冬陞が得意とするカーアクションには目を見張る。小寶(爾冬陞)は《旺角黒夜》の撮影前、まる1年資料を集め、2か月毎晩、旺角を隅から隅まで歩いた。映画が完成前、彼は自分は「おろか」、わざわざ苦労を買って出ていると自嘲した。
・どうしてこんなに愚かなのか。
彼は笑う。「この物語はもちろんパーフェクト。そして香港で最も人が多い場所でやらなくちゃいけない。物語の感情の流れもいい。しかし撮影を始めてわかった。いろいろな事がうまくいかない。何故なら旺角は本当に24時間人がいっぱいる。僕らはたくさんの風景を見て、たくさんの場所を見て、素晴らしい効果が出ると思った。
しかしこれらはいつもの映画の百倍の苦労をして初めて出来るものだった。苦労を買ってでているのではないのに。どうしてこんなに自分はおろかなのか。撮影しなくちゃいけない映画は《旺角黒夜》だ」男は口でいうのと心は違う。小寶もそういう人の1人だ。どうしてそんなにかたくななのか。苦労はかまわない。旺角で撮れなければ、すぐに油麻地の路地裏へ行って撮影する。歯を食いしばって完成させた「心血を注いだ」作品だ。
小寶はさらに笑う。「今回の映画では金培達(ピーター・カム)の音楽が素晴らしいと思っている。窒息させるような感覚だ。編集の時には、本当にたくさんの時間をつかったんだ、分かるかい。それは、どの場面もすてがたかったからだ。いま見られる版は、本当に満足している。知ってのように観客の反応もいい。私は社長に代わって、2人の兄弟、方中信(アレックス・フォン)と錢嘉樂(チン・カーロッ)、さらにすべてのスタッフに、感謝の言葉を言いたい。ほんとにご苦労さまでした」。
《新不了情(つきせぬ想い)》から《忘不了》に至る爾冬陞の以前の映画が与える印象は、どれも愛情物語の枠を出ないということだ。しかし彼が監督と脚本を手がけた《旺角黒夜》は、明らかにこれらとは異なる。愛情を語ることが、終わりない仇討ちに変わり、唯一同じなのは、生活の苦痛と、無量感と風刺だ。《旺角黒夜》は外国テレビドラマ《24》の影響を受け、啓発され出来たと指摘する人もいる。ストーリーはそこかしこに味がある。
方中信が部下を連れ、犯人の宿へ行く場面では、画面と音によって見るモノを不安にさせる。さらに呉彦祖がヤクザ者にによって頭をドアノブにたたきつけられる場面など、目を見張る驚きが詰まっている。by 2004.5.28「東方日報」(ちょっと意訳) 禁無断転載

珍しい事に、この私が3回もこの映画見ちゃいました。また見てもいいな。まあ方さん見ではあるが(大汗)。映画の内容については→id:hkcl:20040520#p1