單程路

李修賢(ダニー・リー)、麥徳羅、載良純 藍乃才(ラム・ナイチョイ)・李修賢:監督 1981年 邵氏 DVD


今風にいえば、暴走族を扱った映画。広東語音声あり。李修賢はバイク修理屋で、片足に怪我があり、かつてはレースに出場したという経歴を持つ。主人公(麥徳羅)はバイク好きで、李修賢のバイク修理屋で働く。バイク仲間には、金持ちのぼんぼんがいたり、父が浮浪者同然の子がいたり、バイク修理屋の隣には、ちょっと可愛い憧れの子がいたりという設定。交通ルールを無視して走り警官に追いかけられたり、公道で不法レースをしたりする不良たちの姿が描かれる。主人公が憧れのマカオでのバイクレースで優勝すると、いままでは「ろくでなし」呼ばわりしていた母親がすりすりすり寄ってきて、賞金は幾らかと聞いたりする。優勝した主人公に挑戦者が現れる。それはバイク修理屋の李修賢とかつては腕を競ったレーサーだった。みんなの期待と心配を背負って、バイクは走り出す・・。


バイク、不良、公道レース、英雄、挑戦者、友情、貧しい者、富める者、理解者、母親と、この手の映画の全ての要素が揃っている。しかしカタルシスが足りないのは、友情があっても、恋が不足気味なのと、主人公への試練が足りないからかも(鬼)。バイクモノで思い出すのは、やっぱり劉徳華《烈火戦車(フル・スロットル烈火戦車)》。監督の爾冬陞はカタルシスの在処を心得ていたと言える。


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