周潤發「誰も分かってくれない」

浸會大学伝理系学院電影電視系は昨日、周潤發(チョウ・ユンファ)を招いて話を聞いた。250人収容の講堂は満席になり、電影電視系の学生を優先に入場させたため、200人以上の学生が講堂に入れなかった。
(中略)
話しの中で司会の卓伯棠は發哥に《リンカーン傳》でリンカーンを演じるのかと問うと、發哥は「エンターテインメントニュースもそれを信じてるらしい。中国人がどうやってリンカーンを演じると思う。ロバート・デニーロ孫文を演じるってことだ」と話した。またハリウッド映画と香港映画については、現在はハリウッド製作の映画を撮るのが好きだという。しかし外国人は周潤發を好く知らないし、理解していない。従って香港映画のような味わいが描けない。「僕は運がないんだ。誰も(ハリウッドの監督)は僕を理解していない。僕にぴったりのものがない。しかし僕は理解してくれる人が現れるのを待っている。少し待っていてくれないか」と周潤發は溜息混じりに話した。また彼は外国の資金が香港に入り、映画製作がきちっと出来るようになればいいと考えている。突然發哥は、王家衛を例にあげ、「王家衛は5年も撮り続けている。かれは真剣にやっている。ハリウッド映画よりはるかに真剣にね」と語った。
發哥は、監督をするつもりはないという。それは、監督はやらなければならないことが多く苦労が多く、プレッシャーも大きいからだという。政治家になりたいと思ったことはと聞かれ「監督だってやりたくないに、政治が出来るわけない」と話した。(中略)
發哥は、もし映画を撮らないのなら、写真を撮って、料理を作って妻に食べさせるという。妻は彼が作る料理が好きだ。發哥は、早ければ来年には仕事を開始するが、それが何なのか、いまは分からない。《華工血涙史》は撮影せず、まず呉宇森 (ジョン・ウー)が《赤壁之戦》を撮るということは分かっている。by 2004.10.31「明報」

アメリカでは、好くも悪しくも呉宇森=英雄本色(男たちの挽歌)=周潤發=2丁拳銃というイメージがつきまとっているのでしょう。周潤發をアクションスターと思っているわけだし。そのイメージを払拭するのは不可能かも。それでは、ラブストーリーを撮るとして、それなりのラブシーンの来ない俳優は使えない。さらに周潤發は中国人なのだから、アジア人の役しか出来ないだろうし、端役ということはないわけだし、そうなると難しいのはあきらか。
呉宇森赤壁之戦》については「明報」は周潤發が撮るという風にも読めるのだが、他紙では「呉宇森は《赤壁之戦》を先に撮るようだ。だから僕は脚本が出来るを待っている」と言っていて、周潤發が撮るとは一言も言っていないので、今後もこの話題は要チェック。