死亡冩真(アブノーマル・ビューティ)

2R=黄婉伶(レース・ウォン)+黄婉君(ロザンヌ・ウォン)、梁俊一(アンソン・リョン)、彭順(オキサイド・パン):監督


美術系の学生で写真好きの女の子が、交通事故の写真を撮ったことから、死体に興味を持ち、鶏を絞めるのやら、犬の死体やら、ついには人間の死体まで、どんどんのめり込んで精神のバランスを崩してゆく。さらに彼女には子供時のトラウマがあって、男子が好きになれない。同姓の友人の力を借りて、なんとか自分を取り戻したと思った矢先、誰かが彼女を監視していることに気付く、それは誰なのか。そして送りつけられてくる残酷なビデオや写真は事実なのか。


今時の日本映画にありそうな雰囲気で、始まって半分以上は興味深いし、好くできていると思う。画面も赤の抜けた独特の色で少し不気味な雰囲気を作っている。回想場面の処理なども手慣れた印象を受ける。2Rは映画初主演で、かなり大変だったような記事を読んだが、頑張ってやっている。特に妹(Race)は、体当たりだったのではないかと思う。時々これが彭兄弟お気に入りの李心潔だったらどうか、などと考えながら見ていたけど、李心潔にも同じ演出をするんだろうなと思うし、李心潔ならこういう表情だろうなと分かる。監督の好みが分かる。で、恐いかというと、恐くはないです。


この映画には様々なキーワードがある。ネクロフィリア、サディスティック、同性愛、幼児期のトラウマ、親子のロスコミュニケーション、写真。このあたりのキーワードって、「夜想」なんていう昔の雑誌を思い出したりして(笑)。香港人にはこれらのキーワードはあまり受けないと思うが、恐い物見たさで、人が入っているようだ。ただ、会場内の反応は相変わらずで、笑うんだ、これが。女性どおしのグループで来ている子たちなど、色っぽいものを連想させられる場面があるんだけど、そこなど「イヤ〜ダ〜」って感じの反応をして笑う。照れ隠しなのか??


2R(レースとロザンヌ)の2人は姉妹。テレビで見ると2人よく似ているけど、映画の中では顔が明らかに違うのが分かる。先日、実物を間近で見たが、思ったよりも小さかった。
梁俊一は、《旺角黒夜》の新人クンです。《旺角黒夜》のときより太ったのか、顔が丸くなっていたような気がする。顔だけじゃなくて、まだ若いのにお腹周りにもちょっとサシ入ってるし。実はいまいち顔立ちが好きになれないのだが、時々、鄭伊健に似ている時があった(鄭伊健は時々とっても格好いいと思うのだけど)。
2004.11.6@旺角百老匯


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