怪しげな食べ物

旺角にはチープな食べ物がいっぱいだ。串にささった怪しげなモノが店先に並べられ売られているのを見たことはあるだろう。これらは茹でたり、揚げたり、焼いたりして食す。尖沙咀や銅鑼灣にも似た店があるので、見かけた人は多いだろう。食すには少し勇気がいるかもしれない。不衛生という人も多いが、あれだけ熱を通せば食あたりはないと思う。
その他には、かの有名な臭豆腐や、たこ焼き、今川焼き、ワッフル、つぶ貝を辛く味付けしたもの、烏賊のげそ揚げ、ベルギーワッフルなどもある。2年ぐらい前には、何故かバターコーンが大流行。茹でたコーンの粒(粒粒にすでになっている)にマーガリンを混ぜたものが、カップに入って売られていた。いまは見かけない。
旺角では、このタイプの店で少し前からタイ風が新しい。1つは鶏の手羽に餅米を詰めて焼いた「[米需]米鶏」(ろーまいがい)。タイ風「[米需]米鶏」は豪快。骨付きの鶏肉の中にカレー風味の餅米を詰めてその場で焼く。ごろっとしてかなりな大きさで、1つ食べると軽い昼食代わりになりそうだ。店の前はいつも人だかり。お値段13ドル。女人街×山東街の角。
皮蛋(ピータン)と言えば、中環の「ヨンキー」が美味しいと言われているが、旺角のタイ風皮蛋というシロモノには驚く。うやうやしく皿に盛られ、生薑が添えてあり、とろりとして黒光りする皮蛋が皮蛋だと思っていると、少しばかり衝撃だ。なんと皮蛋の回りを練り物で包み(スコッチエッグのように)揚げてあるというシロモノ。これにタイ風なタレをかけてアツアツを食べる。初めて店頭でこれを見た時にはかなり動揺した。
実は、この皮蛋の回りを包んでいる練り物だけを揚げた薩摩揚げ状のものもある。これは「虾餅」(ハーベン)と呼ばれている。薩摩揚げが好きなので、似てるかと思い、これは食した事がある。これはこれでそれなりには美味しい。
ある時、意を決して皮蛋を注文してみた。すると、まるまるとしてすでに揚げて周りがきつね色になっている塊を適当に切り分け、さらに油で揚げるのだ。揚がったものは、皮蛋の部分がさらに黒くなって所によっては少々崩れ怪しげな状態になる。これにタイ風なタレ(好みで選べる)をかけてくれる。食べるとさらに不思議な感じだ。皮蛋部分は、皮蛋の味はそれほどせず、食感だけが残る。そして周りは少し粘りのある薩摩揚げの如し。かなり奇妙な食べ物だ。本当にタイでこんな料理があるのかは分からない。1つ8ドル。豉油街×花園街の角、旧金声戲院斜め前。
チャレンジャーな人はお試しあれ。広東語オンリーだが、指させば大丈夫。