秋の映画

8月中ごろから、映画業界はまた静かに下降している。香港映画の中でも大陸の市場を主な収入源とする作品にとっては、10月1日の国慶節が主な稼ぎ時になっている。(略)
中秋節国慶節では、自然と国慶節の方に重きを置くようになっているため、大作は9月末から公開になる。
香港映画では、成龍ジャッキー・チェン)の《神話(The Myht)》、劉徳華アンディ・ラウ)の《童夢奇縁》、鄭秀文(サミー・チェン)の《長恨歌》がある。
成龍映画は一貫して派手な場面とアクションが売り。《神話》にはインドと韓国の女優も参加し、香港の観客には必ずしも魅力的とは写らないかもしれないが、海外への売りには有利だ。《新警察故事(香港国際警察)》は昨年2000万香港ドルを稼いだが、今年の《神話》が同じように稼げるかは不明だ。《新警察故事》には香港的なものがたくさん詰まっていた。さらに80年代の成龍映画の感覚を持っていた。《神話》は様々な要素を盛り込んで、海外市場を当てにしたものだと言える。
劉徳華の《童夢奇縁》は、情を語るもの。老人メイクはすでに多くの香港映画でも使われているため、特殊メイクは強力な売りではない。心あたたまる映画というのは、つねに一定の観客がいる。キャストが豪華で出来が好ければ、観客の反応は当然いいだろ。トレイラーを見ると、子供から老人になる劉徳華には、哀しさが伴っていた。
鄭秀文の《長恨歌》は文芸路線で映画祭映画、大衆好みの映画ではない。しかし關錦鵬(スタンリー・クワン)の映画は分かりにくいわけではなく、手法もわざとらしくなく、観客は安心して映画館へ行けるだろう。1時間少しの娯楽を求める観客の好みに合うかは、また別の話しだが。
もし見て損をしない作品を選ぶなら、《神話》がその一番に選ばれるだろう。by 2005.8.4「明報」郭[糸遣]澂 記

長恨歌》も公開になるようで楽しみだ。その前に9月15日からは薜凱[王其](フォオナ・シッ)、郭品超(ディラン・クォ)の《摯愛(雨音にきみを想う)》と、ペ・ヨンジュンの《外出(四月の雪)》がある。《摯愛》はそれほど入らないと思うのだが、一応チェックしなくては。ペ人気は香港では終わってるから、《外出》は、どうなんだろうか、不明だ。
さらに9月29日から10月11日まで「香港亞洲電影節」が開始される。まだ詳しい内容が出ていないのだが、《最好的時光》《親切なグムジャさん》がかかるらしい。さらに電影資料館では、9月23日から10月9日まで「早期港・日電影交流展」というものが企画されていて、宝田明もやってくる予定。こちらはすでにチケット購入済みなのだが、「香港亞洲電影節」とかさなりそうなイヤな予感。