成記茶楼

これIII級片なのだ
陳観泰、葉霊芝 桂治洪:監督 1974年 邵氏


成記という茶楼が開店するところから話は始まる。成哥(陳観泰)は人情があってとてつもなくいい人(最後までそう見えないのだが・爆)。チンピラにたぶらかされ(こういう表現もいまは使わないが)、無理矢理客を取らされそうになったところを逃げてきて、茶楼で働いている少女を従業員だからと守ってやろうとする。チンピラが警察に捕まっても、未成年で罪に問われない事に怒りを覚える。貧しい親子に薬代をやって、子供の学費を援助してやったりする。成哥が昔死にそうなところを助けてもらった農家の人(これが沙田なんだ・笑)が、不動産屋に土地を売れと言われて、拒んで家に火を付けられ、成哥に助けを求めてくると、悪徳不動産屋と掛け合って、補償金を取ってくれるばかりか、不動産屋に小切手を書かせて、公益金に寄付させる(笑)。ここで成哥は、大陸から逃げきて、努力して茶楼を開いたらしいと分かる。
と言うわけで、土地のヤクザに目を付けられる。それも2大勢力が彼をなんとかしようとする。1つは、打ちのめそうと、1つはウチの組に入れと、そして警察からも目を付けられる。さて彼はどうするか??


いや〜、変な映画でした。映画で描かれているヤクザ者の生態(というほどでもないか)や、不動産がらみの話し、茶楼がヤクザの支配下にあるということや、大陸から逃げてきたなどというのは、当時としては、かなり現在的な話題だったのだろう。さらに未成年(映画では14歳、16歳のチンピラ)の犯罪は罪に問われない、というのも、当時こういう話題があったのかもしれない。いやいまでも夏休みごろになると、黒社会の下っ端が未成年に海賊版販売をさせ、「つかまった時には16歳といえば罪にとわれない」といって、若者を悪い道に陥れようとしているので、口ぐるまにのらないように、という政府広報があり、いまも同じようですが。
今見ると変な映画。映画はいまの古惑仔もののような雰囲気だが、主人公はカタギ。これがどうみても堅気に見えない(笑)。出てくる人物の性格はいたってシンプル。義理人情に厚い男、疎ましく思うヤクザ、恫喝するヤクザ、窮地を救ってもらい好意をよせる女性(色っぽ場面は一切なしなのに、いきなり2人が結婚式をしているのも、すごく変なのだが)などなど。もっとも変なのは、最期の方の乱闘シーン。ずっとスローモーションで、茶楼を破壊し、人々が殴り合っている。それにホントの最期がとっても唐突でかなり変。女子供連れだけどまるで「渡り鳥シリーズ」のごとし。続きで《大哥成》というのもあり、このキャラは受けたってことですね。


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