黒社会(エレクション)

《黒社会》
梁家輝(レオン・カーファイ)、任達華(サイモン・ヤム)、古天樂(ルイス・クー)、王天林(ウォン・ティンラム)、林家棟(ラム・ガートン)、張家輝(ニック・チョン)、邵美琪(マギー・シュウ)、林雪(ラム・シュ) 杜琪峰(ジョニー・トー):監督


次の黒幇の長を選挙する時期がやってきた。大D(梁家輝)は金をばらまいて、自分を選出するように工作するが、長老たちが選んだのは樂(任達華)だった。不服に思う大Dは、現在の長を脅かし、長の象徴である龍棍を樂に渡さないように画策しようとするが、龍棍は香港の外へ持ち出されていた。大D派と樂派の間で龍棍の争奪が繰り広げられていく。


想像していた映画とはまったく違うものだった。実はもっと娯楽性のあまり多く無い、《槍火(ザ・ミッション)》や《PTU》のような映画かと思っていたのだが、これが思った以上に台詞も多く(主に語っているのは梁家輝と王天林だが)、意外に娯楽映画だった(笑)。ある意味、期待を裏切ってくれた。ただし出ている人々(長老級の人々)の面構えがみなすごすぎで、これだけ美しく無い面が出てくる映画も珍しい。
杜琪峰の映画にはいつも、何かしら滑稽でナンセンスなものを感じるのだが、今回それは黒幇の長の象徴である龍棍への皆のこだわり。これを手にするものがすべてを手にするがごとく。最後までこの滑稽さを貫いて欲しかったのだが、思わぬ最後がやってくる。これは次回へ繋げるからこういう終わりを選択したのか? 
III級ということもあり、台詞がおもいっきり俗語満載(当然こういう台詞で香港人は笑う)。聞き取りだけでは理解不可能な部分も多く、字幕見れば意味は分かるが、台詞をはっきりと理解するには、数回見る必要があるかも(汗)。初日20日夜10時の回100%の入り。2005.10.20@旺角百老匯


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