馮徳倫版《英雄本色》主役は劉徳華!

カンヌ用ポスター馮徳倫スティーヴン・フォン)は、一貫して龍剛(ロン・ゴン)が60年代に監督した《英雄本色》のリメイクを考えている。当初は周杰倫ジェイ・チョウ)に主役をと考えたが、最終的には劉徳華アンディ・ラウ)が出演し、今年末から撮影で、資金は5000万香港ドルになった。映画はまだ撮影が始まっていないが、来週から開催されるカンヌ映画祭でプロモーションも行う。
馮徳倫は、1969年に龍剛が撮った《英雄本色》のリメイクに数年を費やし準備している。いくつかの映画会社とも話し合いを持っているが、投資額が大きいため、会社のサポートを受けたとしても、この映画を撮影するのはなかなか容易なことではない。この映画は本来、寰亞(メディア・アジア)の出資だったが、いまのところ数社の共同出資で、劉徳華の会社が最も大きな出資会社になるようだ。馮徳倫は、それぞれの年代にはその時代を代表する英雄がいると考えており、60年代は謝賢(パトリック・ツェ)、80年代は周潤發(チョウ・ユンファ)、そして2000年代は劉徳華だと思っている。
・食事で同意
以前馮徳倫は、劉徳華がこの映画に出てくれるとは考えていなかったという。昨日電話で「少し前に劉徳華と食事をした。この映画について話すと、彼はストーリーを聞いてすぐに好きになってくれた。それであっという間に合作することになった。さらに出資してくるという。映画に対してこんなに熱心で真剣で、新人監督の撮影をサポートしてくれるなんて、ホントに劉徳華に感謝している。いまは、劉徳華が謝賢の役をする以外に、原作の弟の役を陳冠希がするかどうかは、脚本が出来てから決ることになると思う」と話した。呉宇森ジョン・ウー)がリメイクした《英雄本色(男たちの挽歌)》の狄龍(ティ・ロン)の豪哥は、龍剛版では謝賢の役にあたる。
・1社では支えきれず
劉徳華は昨日、この映画への出資を認め、電話で「この映画については大いに興味がある。しかし投資額が大きく、1社では無理。今回のカンヌ映画祭でこの映画をプロモーションして、映画会社の反応を見たいと思っている。それぞれの年代の英雄は、それぞれ違う考えを持っていると思う。たとえば、60年代では家庭の為に自らを犠牲にする人物が英雄となり、80年代では友人のための情と義が英雄になる。*1そして2000年はなんだろう? いま僕達は脚本について考えているところだ」と話した。by 2006.5.12「蘋果日報

Focus Filmの新人監督映画を見に行ったせいか(ネットで応募したので)、Focus Filmからメールニュースが来るようになっているのだが、10日に来たメールニュースにはカンヌにブースを出すというお知らせが入っていた。そこに「a Stephen Fung film《Story of a Discharged Prisoner》 Andy Lau」と書かれていて、びっくりしていたところだった。
「リンゴ」と「東方」は劉徳華で決りという論調だが、「星島日報」は劉徳華の可能性だが、決定ではないと書かれている。カンヌに出展するポスターには「Andy Lau」と書かれているので、現時点では決りでよさそう。
出資もする劉徳華、さすがにこうなると杜[王其]峰(ジョニー・トー)も出資は止めろとは言えなくなりそうだ。ただしこれがこけたらまたいいネタにされそうではある。絶対にヒットさせなければならないだろう。
劉徳華は、ちんぴら役を何回も演じてきている。その記憶を払拭し殻を破らないと、新しい《英雄本色》は生まれない気がするが、ちょっと気になるのは、劉徳華が脚本に口出ししてるような話ぶりのところ。劉徳華は、脚本に口出すのはやめた方がいいのでは。彼は与えられた役を演じる方がいい。じゃないと、またみんなが望むアンディ像になりそうだ。アンディの想像力を越える、いい脚本を作ることが先決。頑張れ粘れ馮徳倫

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*1:60年代と80年代についての英雄の定義が「東方日報」だと逆に書かれているが、たぶんリンゴの方が正しいと思う。