夜宴(女帝―エンペラー)

《夜宴》章子怡チャン・ツィイー)、葛優(グウ・ヨウ)、呉彦祖ダニエル・ウー)、周迅(ジョウ・シュン)、黄暁明(ホァン・シャオミン) 
馮小剛(フォン・シャオガン):監督


紀元前の中国「越」の国の話し。越の王子・無鸞(呉彦祖)は幼馴染みの婉(章子怡)に思いをよせていたが、父の国王が婉を娶ってしまい、歌舞音曲で孤独を紛らす日々だった。あるとき、無鸞の巡遊中、国王が蠍にさされて亡くなる。同時に無鸞は何者かに命を狙われる。先王の死後、父の弟(葛優)が王位につき、王妃(章子怡)は、今度は弟に嫁いだ。


衣装やセットはたしかに豪華だが、話がつまらない。途中、寝てしまうほど、退屈してしまった。章子怡がいくら頑張っても、その頑張りが生きていないように感じる。音楽も今一つピンとこないし、色も張藝謀(チャン・イーモウ)にはかなわない。盛り上がりがなく(実際にはあるのだが、盛り上がれない)、平板な感じがする。平板な感じは、物語りだけでなく、なぜか画面もそう感じる。これは同じ馮小剛監督の《天下無賊》を見た時とほぼ同じ感じ。ということは馮小剛の特徴なのだろう。(私と相性が悪いんだと思う。)
越の国の踊りというのが、仮面をつけ、まるで現代舞踏なのも、どうなのかと? 外国ウケか?
物語りは、ハムレットを下敷きにしたらしいが、これが舞台だったら、もっとよかったかもしれない。もしくは、舞台のような映画でもいい。時にスローで真っ赤な血しぶきを飛ばしたりしないで、様式美で舞台のように映画を作ってくれたら、越の国の踊りも違和感なく取り込め、より斬新で面白かったのではと思う。土曜日夜6時の回で、7割ぐらいしか入っていないのも、むべなるかな。映画はもちろん北京語で、呉彦祖は吹き替えられていた。
2006.9.16@旺角百老匯
さらに米リメイク《無間道》のトレイラーが流れたが、テレビドラマかと思うほど、面白そうじゃない予告だった。


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